酔う子のユーラシア大陸お散歩ログ

ソムリエで料理研究家の酔う子が自由気ままに世界で飲み歩く様子をお届け

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クルーズでは毎日、観光地の情報や、その日の船内エンタメ情報が書かれた新聞的な紙が各部屋に配られます。
もちろんウシュアイアに寄港する前日もウシュアイアのオススメスポット情報が書かれたものが部屋にありました。
その中で一際目を引いたのが、この監獄博物館でした。

博物館は、実際の刑務所の建物が利用されています。
この形どっかで見たなと思ったら、最近めっちゃ読んでるゴールデンカムイの網走刑務所の上から見た図でした。
それぞれの棟が監獄はじめ、海軍や南極など、いろんな博物館になっています。
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まずは監獄博物館。
この監獄は1800年代に建設され、第二次大戦終戦直後くらいまで使用されていたそうです。
当時の監獄の生活、労役、個性的な囚人のエピソードがたくさん貼られてあって、すごく読ませる博物館でした。
英語が分からなかったら一瞬で終わるけど、読めるなら3時間くらい平気で使う博物館です。
エアコンもしっかり効いており、快適です。
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お部屋の様子。
2人部屋って、いつも私が泊まってるドミトリーよりもいいかもしれないです。
ベッドの上のところにバーがあると、下着とかバスタオルとか干せてポイント高いです。
服もご飯も支給で、お風呂も洗濯機もあって全部無料って、すごくいいと思ってしまいました。
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こちらは実際の刑務所を見せる博物館。
エアコンもあえてつけず、打ちっぱなしコンクリートは寒々しく、バスルームまで当時のまま展示されています。
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当時の囚人の模型。
この人はメキシコ人だったそうで、エピソードが細かく書かれています。
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模型の人のエピソード。
殺人と傷害で31歳から25年の刑期でここに収監されたそうです。
しかし凶暴ということで看守にも敬遠され、床にぶち撒けられたごはんを食べさせられたりという虐待により、最後は気が狂ってしまったそうです。
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この博物館は、時間さえあれば囚人服コスプレ見学ツアーもあるみたいです。
やりたかった!
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美術館エリアや海軍博物館エリアは、主に絵画が飾られていました。
美術館はペンギンの模型に絵を描いてみたり、ウシュアイアをテーマにしたアートが飾られていました。
海軍博物館エリアは、船で使われていたものももちろん展示されていますが、海や船をテーマにした絵を展示するエリアもありました。
この絵は私がなんとなく気に入った一枚。
こういう状態の船には絶対乗りたくないけど、粗めのタッチの油絵は大好きです。
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物販コーナーにはお土産がたくさん売られていました。
世界の果て郵便ポストもあり、買った絵葉書をそのまま投函できます。
この雑誌たちは表紙を見る限り、アルゼンチンの月刊ムーの位置づけだと思われます。
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入場料1300ペソ、2500円弱と割高でしたが、時間があればじっくり見て元ががっつりとれる博物館だと思いました!

やっとこさイースター島ラパヌイ博物館に行けました!
島に来てから大晦日や新年、土日や休館日が重なって全く行けてませんでした。
火曜から土曜は通常営業、日曜は午前中だけ、月曜は休館日です。
物価の高いこの島にしては珍しく、入場料は無料です。
ここに行った人に言わせれば、ネットで見れる情報ばかりで面白くないとのことでしたが、私にとっては全くそんなことはなく、モアイの情報しか浮いてないネットと違い、歴史や人々の生活にまで言及した、大変興味深い博物館だったと思います。
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まずはポリネシアの歴史から始まります。
この島はポリネシアといわれる地域の一部で、確かに絶海の孤島ではありますが、航海術に長けたこの民族はカヌーでニュージーランドやハワイにまで足を伸ばしていました。
写真は当時の海図で、潮の流れや島までうまく表現されています。
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この島ではさまざまな作物が取れます。
ヤムイモやバナナなど、とても豊かに色々育ったそうです。
なかでもトトラ、という植物は、実が食用にもなれば、叩いて繊維状にして衣類や布として利用したそうです。
トトラの実は実物を見ることができませんでした。
また料理は、土を掘って石で囲んだオーブンで時間をかけて肉や魚をじっくり調理するのが伝統的だそうです。
現在でも伝統行事の際はこれで料理を作るそうです。
掘ったオーブンなら湿気た洞窟でもお肉を焼けるんじゃないかなあと思いました。
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モアイについてももちろん言及されています。
モアイは元々先祖について思いを馳せ、自らの原点を思い出すためのものだったようです。
なので神様ではなく、決して崇拝対象ではなかったと推察されています。
大した道具もないこの時代に、モアイたちをどうやって運んだのか、また大きな重い石の帽子をどうやってモアイの頭上に乗っけたのかも大きな謎になっており、それについて図解でいろんな説を解説しています。
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モアイ関連で避けては通れないのが「マナ」という概念。
これは超自然的なスーパーパワーの類であると訳されますが、みんなで力を合わせて生まれる大きな力もまた、マナの一種と考えられました。
そのマナの象徴とも言えるのが、モアイの目。
白いサンゴで作られているのですが、現在は外に立ってるモアイの殆どの目は落ちて割れてしまっています。
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この島には文字もありました。
ロンゴロンゴ文字と呼ばれ、既に解読されているそうです。
これは表音文字ではなく表意文字で、一つ一つの文字が日にちや事柄などを克明に表しているそうです。
この博物館に併設された図書館には一冊だけ日本語の本が置かれており、それはこのロンゴロンゴ文字の解読の翻訳でした。
中身を見ると一部解釈には半信半疑になる部分もありつつも、モアイの謎から生活まで克明に記されており、なかなか説得力のある面白い内容でした。
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この他にも、人々の服装、タトゥー、葬儀について、ほかでは見れない内容などが細かく展示されています。
島の遺跡の多くには満足な解説がなく、ツアーで回らない限り理解も進まないことが多いです。
どんな人にもお勧めできる面白い博物館でした。

イカに来た翌日は疲れ果ててホステルにこもっていました。
そしてクリスマスが訪れ、博物館が閉まり、訪問するタイミングを逃していたのですが、最終日のホステルチェックアウト前に滑り込んできました!
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庭には謎オブジェがたくさんあります。
特に奥の木の下の黒いやつ、顔ハメだったけどなんの顔ハメかはどれだけ見てもわかりませんでした。
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こっちにもある、レベルの高い土器顔ハメ。
この博物館がアツいのは、もうこれを見ただけでわかります。
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以降は写真禁止のため文章で書いておきます。

パラカス文化
ナスカ文化より前の、がっつり紀元前に栄えた文明。
土器は、特に初期のものは茶色ベースで模様も地味なものが多い印象だが、織物がとても美しい。
レース編みのようなものも出土しているのと、刺繍糸のような糸で作ったマスコットっぽいやつや、人形(本当はミイラの首をモチーフにしてる)がぶら下がったようなデザインは秀逸の一言。

ナスカ文化
他の博物館にも多く展示されているが、土器に書かれた人間を含む生き物をコミカルに表現した様は現代にも充分通用するデザイン性の高さ。
それはナスカの地上絵にも見て取れる。

ミイラの部屋
この博物館にわざわざ行ったのは、このミイラの展示が目的。
出土したミイラの様々な髪型を比較した文化研究、ミイラのレントゲン写真による研究など、興味深いものが大変多い。
しかしミイラとの距離も近く、保存状態が良くてこっちを見ているような人もおり、戸惑う人もいると思われる。
戦争捕虜の頭をミイラにしてキーホルダーのようにぶら下げて持ち歩いたトロフィーヘッドの展示もある。

ワイン作りのパネル
スペイン語のみだがワイン作りからピスコまでの記述がある。
使用する道具の名前や工程まで丁寧に書かれている印象。

食文化のパネル
ナスカ周辺では古くから豆の栽培が盛んで、特に空豆が現在に至るまで名産である、という記載から、名物料理のレシピが書かれている。
写真が撮れないのが残念でならない。
料理名を覚えてレシピはググったので載せておく。

空豆とチーズのクリームシチュー(私的ペルーイチオシ料理)
Picante de pallares verdes


空豆のクリームスープ
Chupe de pallares
 


まだ見かけていない、空豆のタクタク

Tacu tacu de pallares

 


インカ博物館、マチュピチュ博物館、太陽の神殿の3つに行ってきました。
リマのラルゴ博物館の展示がとても充実していたため、すでに知っている知識も増え、どれも割とさらっと見終わりました。
そしてほぼ全て写真禁止でした。
どの建物もヨーロッパ調の美しい建造物なのですが、それが如何にインカの人々を虐げたか物語るようで、とても悲しい思いで見学しました。

まずはインカ博物館、入場料は10ソル。
インカ以前の石器時代の遺物や、ツボなどが見れます。
トウモロコシから作ったチチャ酒は口噛み酒だと知りました。
どこか飲めるところないのかな。
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続いてマチュピチュ博物館、入場料20ソル。
イェール大学の探検家がマチュピチュを発見した時の様子や、発見当時の事柄が主に綴られています。
彼はインカ帝国最後の都ビルカバンバを探していて、マチュピチュを見つけたそうです。
ジャングルを掻き分けてこれを見つけた彼の気持ちは想像に難くないです。
話違うけどビルカバンバ行きのツアーは団体のみしかも5日間のトレッキングと聞いて、今回は無理そうです。
また、この博物館は超リアルな人形が暗闇に佇んでおり、なかなか驚きます。

こちらは太陽の神殿、現地語ではクリカンチャ、というようです。
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太陽の神殿というからインカの石組みを探していたら、目の前にある教会がそれでした。
一部石垣は残るものの、すっかりカトリックの教会に作り替えられており、コンキスタドーレスの酷さが身にしみます。
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ここから見える風景はまるでヨーロッパ、残念極まりないです。
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建物の中には一部インカの石組みが残っています。
この石垣も黄金で覆われていましたが、スペインがすっかり剥がして持って行ってしまったそうです。
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上から見ると、石組みの上のところに何かはまってた跡が見えます。
再現でいいから、模型でもいいから私は太陽の神殿の在りし日の姿を見たいと思います。
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まずは世界最大の隕石から。
パラシオ・デ・ミネリア、つまり鉱物の宮殿という名前の建物の入り口に飾られている隕石たち。
なんだか大きな隕石が4つくらいあります。
こちらは入場料などとられることなく見ることができます。
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その隣の隣くらいにあるのが、拷問博物館。
ここは写真禁止だった為写真はありません。
東京の御茶ノ水の明治大学の地下にも拷問博物館がありますが、それとは比べ物にならないくらい、グロテスクでした。
まず展示物が多いです。
展示されているものに血がついたりとかそういうことはないのですが、その用途説明が絵付きで具体的で、なかなか想像するのが辛いものがあります。
鋼鉄の処女はもちろんのこと、貞操帯、苦悩の梨などの小物から、股を切り裂くノコギリや、八つ裂き用の車輪などなど、古今東西各種取り揃えられており、大変興味深いところでした。
拷問博物館はいじめ撲滅運動を掲げており、最後の部屋はいじめについての展示になっています。
なんだか矛盾するような気がしますが、大変面白い博物館でした。
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