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ワインが発酵している最中に行うルモンタージュという作業について書きます。
ソムリエ教本では、ルモンタージュは下の方のワインを上に移す、程度の記載のみで、実際の作業については気にもとめていませんでした。
シャトープレヴェールにて作業させていただく中で実際やってみたので、それについて書きます。

ルモンタージュにも色々種類がありますが、今回は酸素を入れないルモンタージュです。
ホース2本とポンプ一台を用意し、タンクの下の蛇口と上の口をこんな風に繋ぎます。
繋ぐ前にはこのでっかいホース自体も清潔にするために、外側も中側も洗ったり消毒したりします。
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上には人が登ってホースを支えます。
中にワインが入るとホースはめちゃくちゃ重くなります。
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ポンプを作動させて約2分程度、ワインを回転させます。
そうすることで下に溜まってた酵母が全体に行き渡り、発酵が活性化したりします。
この後ワインを無駄にしないようにホースを抜いたり、ホースを水で洗ったりするわけですが、それもまた簡単ではない作業です。
こんな風に、ソムリエ教本では数行で説明される作業も、実際にやると決して楽ではありません。

ルモンタージュにも種類があり、ワインに酸素を入れたい場合は、タンクからのホースを一度タライ(的な大きな容器)に移します。
そうして空気に触れさせたワインをポンプで吸って、またタンクの中に戻します。
どういう場合にどちらのルモンタージュをするかは発酵の進み具合と醸造家さんのテイスティング結果次第です。

最後にソムリエ試験の復習と自分の確認のため、ルモンタージュの効果を書いておきます。(頻出)
1.果醪液への酸素供給
2.タンク内の糖分、酵母、温度の平均化
3.果皮や種子からのフェノール類などの成分抽出

ここはワインの国フランス、ワイン用ぶどうの育成に欠かせない気候条件である、1日の寒暖の差が激しい、というのをもちろんこちらも備えています。
とはいえ寒い時は暖炉に火を入れるレベルになってきました。
これがこちらの秋だそうです。
市場にも栗をはじめとする秋の味覚が並び、ぶどうの葉っぱは赤くなって、お庭にはトンボが飛び始めるようになりました。

そして秋の味覚のきのこ、それもポルチーニ茸が滞在中のワイナリー・シャトープレヴェールの敷地にも生えていました。
ポルチーニはフランスではセップ茸と呼ばれます。
お庭にポルチーニが生える、ってもはやパワーワードです。
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でっかい子もいました。
1UPするかも。
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ポルチーニの特徴は、笠の下のところが、こんな風にスポンジ状になっていることだそうです。
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たくさん見つけました。
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お昼はマッシュルームと混ぜてクリームソースにしました!
ポルチーニって乾燥しか食べたことがなかったけど、香りもいいけど食感は日本のナスのようでした。
外側は皮のようになってカリッとしており、中はよく焼いた茄子のようにトロトロです!
生ポルチーニが庭に生えるなんて、一生の運を使い果たしそうな贅沢だなと思いました!
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今日もAOCソシニャックの貴腐ワイン用ぶどうの収穫の続きをやってきました。
昨日の影響で背中、お尻、内腿がバキバキに痛いけど、収穫作業をしているうちに慣れてきました。
そして何故か痛みがマシになりました。
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本日は圧搾機を見学しました。
圧搾機もいろいろ種類があるようで、こちらで使用されているものは下のビニールの部分が風船のようにせり上がってぶどうを押しつぶし、ステンレス部分から果汁が出てくるというものでした。
しかもこれには果汁の量を測る機能まで付いてて、すごいなぁと感動していました。
もちろんこちらもナチュラルのワイナリー、圧搾時の亜硫酸添加はありませんでした。
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生産者のチエリさんが飲ませてくださったのは、昨日収穫したぶどうの絞り汁!
タンクで一晩寝かせて不純物を沈殿(デブルバージュdébourbage)させた上澄みなので、既に金色の貴腐ワインの色をしています。
チエリさんの甘口ワインは飲み口スッキリなのが特徴だそうで、ぶどうだとは信じられないような甘さ(糖度は18度)でありながら、口の中が粘りつくようなことはありませんでした。
貴腐ワイン独特の蜂蜜というかアプリコットのようなまろやかな香りは発酵後にしかでないようで、まだありませんでした。
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そうやって楽しんでいるうちに本日収穫分のぶどうを絞り始めました。
最初は収穫時に潰れたぶどうから出た汁のため、不純物が多く写真のように濁っていますが、圧搾を続けるとだんだん先ほどの黄金色に近づきます。
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そうしてできたワインがこれ!
これは2004年ヴィンテージで、琥珀色になっており、色がかなりいい感じです。
樽熟成は約1年だそうです。
発酵してもとっても甘くてさらにスッキリしていて、グビグビ飲めちゃうんだろうなあと思います。
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AOCソシニャックと書かれています。
この頃はソーヴィニヨングリとセミヨンだけでなく、ミュスカデの木もあったそうです。
日本だとこんなレアなアペラシオンはほぼ手に入らないので、飲むのがとっても楽しみです!!
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Special thanks to Château le Payral for all this amazing experience!

こちらは今ステイさせて頂いているワイナリーのご近所さん、同じくナチュラルワインを生産されているChâteau le Payralにおじゃましました。
こちらではAOCソシニャック、甘口の白ワインの収穫をお手伝いさせていただきました。
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ワイン造りにピジャージュという棒で果実を突いてタンクに沈める作業があります。
通常赤ワインなら棒らしい棒で突くのですが、今回は貴腐ワインでほぼ干しぶどう化しているため、特殊なピジャージュ用の棒を使用します。
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こちらは生産者のチエリさん。
チエリさんに直接ご説明頂きながら今年収穫してまだもう少し発酵中のメルロー100の赤ワイン(というか果汁)を試飲させていただきました。
タンニンがほぼないスムースな飲み心地で、完成がとても待ち遠しいです。
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続いては現在もう少し発酵中の白ワイン果汁の試飲です。
白ワインはソーヴィニヨンブランで作っており、果汁を絞った段階で空気にたくさん触れさせて酸化させたものと、空気にできるだけ触れさせず樽詰めしたものとを試飲しました。
果汁はまだまだ甘いながらも、空気に触れさせた方がさわやかなソーヴィニヨンブラン感が出ており、大変興味深いです。
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さて、ここからは収穫の様子です。
通常ワイン用ぶどうの収穫はヴァンダンジュVendangeと言いますが、貴腐ワインの収穫は、選ぶ、という意味のTrieというそうです。
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午前中はソーヴィニヨングリという品種の収穫でした。
こちらは果皮がピンクっぽくなっており、白い果汁が取れるため、グリと呼ばれます。
この子達は甘口の貴腐ワインにするためめちゃくちゃ熟れてるから、すっごいあまくて美味しいです。
葉や蔓が多く、ぶどうのなっている軸を探すのが大変でした。
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午後からはセミヨンの収穫。
セミヨンは典型的なボルドー周辺の貴腐ワイン用品種で、この地域の川から発生する霧に乗じて、灰色カビ菌というのがつきます。
通常これはぶどうの病気なんですが、この菌によるぶどうを干しぶどう化させる作用を利用して、ぶどう一粒一粒の糖度を上げていきます。
写真のぶどうの黒いところがカビ菌がついているところです。
白いところもすでに甘く、糖度は13度くらいあるのですが、黒いところは23度近い糖度になっています。
この糖度はそのまま発酵後のアルコール度数のポテンシャルになります。
このぶどうはたわわに実っており、例年よりも良い出来のようです。
収穫するのも、房が露わで葉っぱが少なく蔓に絡まっておらず、ソーヴィニヨングリよりも作業が楽でした。
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収穫はこんな感じでかがみながらやります。
人によって楽な姿勢があるかと思いますが、前回こんな感じで1日やって背中がバキバキに痛くなったので、今回は膝から曲げるようにしたところ、内転筋やお尻の筋肉にもキュンキュン効く始末。
なかなか良い筋トレになります。
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午前中だけならまだしも午後も収穫、午後は2列か3列刈って私は体力が限界を迎えました。。
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最後に、こちらはお昼に頂いたもの。
果汁の水分が多い場合、発酵前に水分のみを取り除くろ過という作業をします。
この水はそのぶどうのろ過したもの。
ほんのりぶどう感があり、ウゾやラクのようなぶどうの蒸留酒をすごく薄めたような、清涼感のあるお水でした。
こんなもの通常飲めないので大変興味深く頂きました。
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先日圧搾した果汁は、タンクで発酵を続けておりましたが、遂に樽詰めの時がきました。
樽詰めって樽に詰めるだけなんですが、色々準備があったりするので、その様子を記していきます。

まずこの機械、日本に普通に生きてたらまず見かけないし、何をするかもわからない機械ですが、、
樽を洗う機械です。
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機械につながった黄色いホースは水道につながっています。
この機械の上に樽を乗っけて、中央の突起部分を樽の穴にセットして水道を開けると、水が出てきて樽の中を洗うことができます。
洗った樽はしばらく乾燥させて樽詰めを待ちます。

さて、樽詰めをすることになりました。
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タンクに入ったワインを、今回は場所やいろんな都合上容器に一旦移してから、電動ポンプで樽に送り込みます。
電動ポンプは圧搾やらいろんな工程で活躍するけど、果汁を酸化させないよう、あまりたくさん空気を送り込まないように気をつけないといけません。

容器に開けられたワインさん。
まだ若いので紫なんですが、この量は流石に圧巻。
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こうやってワインさんは樽に詰められていきます。
樽の中でもまだ少し発酵が続くので、二酸化炭素が発生することとボコボコこぼれてこないよう、軽く空気を入れるために樽の栓は軽く乗せるだけです。
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ここから毎日発酵の様子を見ます。
発酵の進み具合は、ワインの残糖度と温度で見ます。
糖度計と温度計で毎日進み具合を記録します。
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進み具合によっては、樽の底のオリをかき混ぜて発酵を進めます。
(樽の中でも発酵を進める白やロゼワインの場合のみ。
赤ワインはこの時点でほぼ発酵が終わりかけてる。)
この作業をバトナージュといいます。
バトンというのがこの写真の棒です。
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これで樽の底からガシガシかき回して、ワインの発酵を促進させます。
これは私がワインさんをガシガシバトナージュしている図。
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収穫が終わってホッと一息ついてはいますが、気を抜くことはなく、ワインさんたちを愛でながら地道に発酵させる作業が続きます。

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