酔う子のユーラシア大陸お散歩ログ

ソムリエで料理研究家の酔う子が自由気ままに世界で飲み歩く様子をお届け

タグ:メキシコ料理

私もメキシコに実際来るまで、タコス以外のメキシカンはモーレというチョコ唐辛子ソースの料理しか知りませんでした。
すごく当然なんだけど、意外と色々あるもんだなというのが感想です。
その中の一つが、Birriaというビーフシチュー。
これはテキーラ村のあるハリスコ州(カルロスサンタナの出身地)の名物料理です。
初めて食べたのは市場の食堂、荒々しい感じでプラスチックの皿に盛られ、お好みで薬味をトッピングします。
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肉を漬け込むのに一晩かかるけど、美味しいので作る価値ありです!

Birria(2-3人前)
材料
牛肉もも 400グラム
メキシコの唐辛子(今回はうちにあったAnchoという種類のやつ) 2個
玉ねぎ 8分の1個
にんにく 2かけ
トマト 1個
ワインビネガー 大さじ半分
生姜 チューブのやつで2センチ
クミン 小さじ1
オレガノ 小さじ2
タイム 小さじ2
胡椒 小さじ1
シナモンパウダー 小さじ1.5
クローブパウダー 小さじ1
ローリエ 1枚
薬味の玉ねぎみじん切り 好きなだけ
薬味のパクチー 好きなだけ 

作り方
肉のマリネ液を作る。
まずはメキシカンのあるある工程、唐辛子の出汁をとる。
別でお湯を沸かしておく。
唐辛子を切って、中の種を取り除く。
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強火でトータル5分ほど両目しっかり焼く。
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沸かしておいたお湯約300ccの中に唐辛子を柔らかくなるまで(約10分)漬けておく。
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さっきのフライパンに油を敷き、強めの火でにんにく、玉ねぎとトマトを炒める。
ジュージューいってきたら、クミンを入れて一緒に熱する。
軽く火が通ればok、玉ねぎが透明になるのを待つ必要はない。
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その間に唐辛子の出汁が取れる。
汁は明日使うので取っておく。
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フードプロセッサーに、出汁をとった唐辛子、炒めたトマトとにんにくと玉ねぎとクミン、ビネガー、オレガノ、タイム、胡椒、シナモン、クローブ、生姜(つまりローリエと肉以外)全部入れて、全てがドロドロになるまで回す。
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マリネ液完成。
もうちょっと回してもよかったかも。
塩も小さじ2足しました。
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肉はカレーより大きめくらいに切るのが現地っぽい。
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この肉をマリネ液に浸し、少なくとも一晩は置く。
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一晩経ったら、フライパンに油を敷き、肉からマリネ液を軽く落とし、肉だけをまず焼き、表面に火を通す。
その後圧力鍋に焼いた肉とマリネ液全部、昨日取った唐辛子の出汁を入れて、圧がかかってから45分煮る。
もしくは鉄の鍋とかに入れて蓋してそのままオーブンで4時間焼く。
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45分たったら火を消し、自然と圧が下がるのを待つ。
味見しながら必要に応じて塩で調味して完成!

薬味はみじん切りの玉ねぎと、パクチーがなかったのでネギ。
メキシコっぽいかと思ってすだち添えてみた。 
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実食。
もう、本当にメキシコに戻ったような味がします!!
旅してた日が懐かしいです。
スパイス類は、手に入りにくいようなら多分クミンとオレガノとシナモンのみでも構いませんが、その場合タイムの分もオレガノを、クローブのぶんもシナモンを足しましょう。
悔やまれるのは、パクチーが手に入らなかったこと。
この季節はいつも手に入りにくいそうです。
今回は現地のレシピに忠実だったけど、酢の代わりに醤油かめんつゆにすることと、マリネの時点で少しはちみつを入れるとコクが出るかなと思いました。
写真はヤギ肉のBirriaの店のもの。
やっぱりトルティーヤと一緒に食べたい!
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メキシコはグアダラハラでは、現地の日本食屋さんで働くシェフの方ところにお世話になっておりました。
その方のお友達のイタリアンレストランで頂いたししとうのプルスケッタ(メニューにShishitoと書いてあった)が、ししとうの辛さとモッツアレラのマッチングがそれはそれは美味しくて印象的でした。
ちょっとピリ辛(だった気がする)トマトソースを使うのは、メキシコならではだと感じ、メキシコらしさも取り入れつつ、でもしっかりイタリアンの、とっても面白い料理です。 

 

ししとうとモッツァレラのプルスケッタ
2人分
材料
トマトソース
 トマト(ピューレ、トマト本体など) 100ccぶん
 にんにくチューブ 3センチ
 一味唐辛子 5ふりくらい
ししとう 4つ
モッツァレラチーズ 1個
バゲット 4切れ

作り方
トマトソースを作る。
今日は残ってたトマトピューレ100ccくらいに、ミニトマト6個ほどを半分に切って投入。
現地で食べたやつは、ゴロゴロ果肉感の食べ応えのあるトマトソースだったので、本来はトマトを丸々1個すり下ろすのが良いんだと思う。 
にんにくチューブも入れ、中火でミニトマトをヘラで潰しながら混ぜる。
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ししとうは、食べやすさ重視の人は、ヘタを落とす。
ヘタがあった方がちょっと可愛い。 
辛いのが嫌いな人は種を取れば良いが、今日は辛い方が美味しい。
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ししとうを油を引かないフライパンで焼く。
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ここでトマトソースが煮たってくる。
まず一味唐辛子を入れてから塩を入れて調味する。
(多分メキシコ人は、唐辛子の辛味と塩味を若干混同している。) 
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モッツァレラは大胆に1センチくらいの輪切りにする。

バゲットにトマトソースをたっぷり載せ、モッツァレラ、ししとうの順に乗せて完成!
現地で食べたやつは、美味しくてお腹空いていて写真を撮るのも忘れて食べていました。
ししとうは日本のものよりアタリが多い印象だったけど、メキシコの本気出した唐辛子よりも優しい味だし、なによりモッツァレラがすごいいい感じにししとうの刺々しさを中和していて、絶妙です。
こちらのレストランでは、何かお料理にあうワインを、と頼んだところ、スペインのすごく美味しいヴェルデホ(だったかしら)を持ってきてくれて、それがまたぴったりマッチングするので、ここのシェフはなんて素敵なんだと感動しました。

今日のレシピも久々に日本のスーパーで普通に手に入る材料で作れるものたち!!
しかも今回の調理時間はトータル15分もかかっていません。
ぜひ挑戦してみてください!
 

メキシコはアステカ帝国時代から伝わるポソレというスープがあります。
現在は豚肉、豚のモツ、チキンなんかでつくられているこのスープですが、かつては生贄に捧げた人肉を使って調理するという衝撃の背景がありました。
いつか人肉ポソレ食べてみたいなあ。
詳しく知りたい人はこちら

帰国後、仕方がないから豚バラでポソレを作ってみました。
豚肉が一番人肉の味に近い、と古代アステカ人も言ってました。


ポソレ
3人分くらい
材料
豚肉か鶏肉 150グラムくらい
玉ねぎ 4ぶんの1
にんにく 2かけ
メキシコの唐辛子 1個くらい
ジャイアントコーン 半カップ
クミン ひとふり
オレガノ 3-4ふり
付け合わせ
 千切りキャベツ
 薄切りのラディッシュ
 パクチーのみじん切り
 レモンかライム

作り方
今回は乾燥のジャイアントコーンを使用。
五反田の南米食材屋には冷凍なんかもあった。
アメリカには水煮缶もあるらしい。
乾燥のを使う時は、前日寝る前に、ジャイアントコーンを水に浸しておく。
これはスイートコーンでは代用できない。
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豚バラを刻み、粗みじん切りの玉ねぎ、皮を剥いたにんにくと一緒に1時間ほど火にかける。
適宜灰汁を取る。
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その間に唐辛子の種を取り、油を引かないフライパンで焦げない程度に焼く。
焼く時は目がやられるので、換気扇を忘れずつけること!
メキシコの唐辛子がなければ、何かしら辛さ控えめの唐辛子を探し出すか、多めのラー油で代用する。
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焼けたら、キッチンバサミとかで唐辛子を刻み、熱湯をひたひたくらいに注ぎ、30分ほどつける。
軽く煮てもよい。
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このタイミングで水で戻したジャイアントコーンを一緒に入れて煮る。
使った感触だと、ジャイアントコーンはかなり煮込んでも良いので、最初に入れてもよいと思う。
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唐辛子水をザルで濾す。
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全てを一緒にして、クミンとオレガノを足し、5-10分煮込む。
ここで塩で調味する。
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付け合わせの野菜を盛り付け、完成!
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なかなか美味しいです!
わざわざ買ってきたメキシコのレモンが、ものすごくメキシコを思い出す風味で愛おしいです。
日本のレモンやライムとはまったく違います。
現地の食材を揃えないといけないものが多いためハードル高めですが、通販でわりかし揃います。
ちなみに唐辛子は、Ancho Rojoというやつとグアフィージョというやつが必要だったそうです。
メキシコには唐辛子だけで一つの売り場が形成されるほどたくさん種類があります。
今回使ったのは、AnchoのRojo(赤)じゃないやつでした。



これがメキシコのポソレ屋に飾ってあったポソレの写真です。
野菜類は自分で適当に好きなのを入れて食べます。
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これが現地のポソレ。
肉はモツで、スープの色はもっと薄かったです。
だいたいが豚骨スープのような白濁した色をしており、そこに唐辛子水はスープに対して少量注ぐのでこんな感じの色になると思われます。
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人肉ポソレ食べてみたいなあ、、

ご飯のことならかなりスペイン語がわかるようになってきました。
タコスのオーダーもスペイン語で細かく伝えられるようになってきました。
プラヤデルカルメンの本屋さんでは、ユカタン半島料理本、すなわちマヤの流れを組む料理の本が売られており、アガって買ってきました。
帰国便取ったから、なんでも買える無敵状態で調子に乗りました。
中身は私がメキシコでまだ見たことないフードだらけでとても興味深く拝見しました。
コロナのせいで近々レストランが閉まるため、おそらく食べに行く機会はほぼないのが残念です。
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そしてビーチでのんびりしていたときに売り子さんが売りにきたのが、この本に載ってたキビKibiというもの!
なんだか歯応えのあるカリカリのトウモロコシ?生地の香ばしいパン的なものの中に、玉ねぎのピクルスっぽいやつを入れて食べます。
歴史的にユカタン半島にはレバノン系移民がいるそうで、どうやらこの食べ物もその流れを組む中東のもののようです。
小腹を満たすおやつにぴったりな一品でした。
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先日イラン料理に挑戦してしまい、タマリンドソースがたくさんできてしまいました。
なんとかしてそれを消費するため、タマリンドをたくさん使えそうなレシピを探していたところ見つけたのがこのメキシコ料理のレシピ。

日本で作るにはクリティカルな材料もあるから、せっかくメキシコに居るので挑戦してみることにしました。
本来豚肉も長く煮込むところを簡易的に時短でつくれるようにちょっと工夫しました。

豚肉のタマリンドソース煮込み(Cerdo en Salsa de Tamarindo)
材料
豚肉 700グラム
玉ねぎ 4分の1
にんにく 2-3かけ
緑のトマト 2-3個(通常のトマト1個とリンゴ4ぶんの1で代用できるか)
タマリンド 4個くらい(板状のタマリンドなら4分の1、ソースがあれば大さじ3)
トウガラシ(チリパウダー) 辛くなければひとつかみ、辛ければ大さじ1

作り方
緑のトマトは軽く火で炙るかフライパンで焼いて、皮をむきます。
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タマリンドは皮をむき、ひたひたのぬるま湯に15分くらいつけておくと柔らかくなります。
それを手で揉みしだくと果肉が剥がれます。
板状のタマリンドも同様に、ぬるま湯に15分ほどつけましょう。
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タマリンドはこんな感じになります。
ここからまだもみもみして、ザルで濾して、タマリンドソースを取ります。
タマリンドは練り梅でも代用できるので、チューブ1本半くらい使います。
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トマトと玉ねぎとにんにくとタマリンドソースとトウガラシをフードプロセッサーにかけます。
フードプロセッサーがなければすりおろします。
これみじん切りだと美味しくならないので、面倒でもすりおろします。
それを食べやすい大きさに切った豚肉に和えてマリネします。
このまま3時間くらい漬け込みます。
このとき使ったタマリンドソースは、別の料理の流用のため、ちょっとハーブが入ってますが、本来不要です。
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3時間経ったら肉を焼きます。
汁部分は入れず、まず肉に軽く焼き目がつくくらいまで火を通します。
全部の肉に焼き目がついたら、汁を入れて蓋をして、10分ほど煮込んで完成!
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白米と一緒に食べます!
すっごい食欲のそそる味で、とっても美味しいです!
育ち盛りの男子なんかが喜びそうな味がします!
年齢性別問わず、呑兵衛にはお供にビールを与えましょう。
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