酔う子のユーラシア大陸お散歩ログ

ソムリエで料理研究家の酔う子が自由気ままに世界で飲み歩く様子をお届け

タグ:ミイラ

ナスカ平原の文明は紀元前から続いてきました。
地上絵を作ったナスカ文化は今から約2000年ほど前に興りました。
そこから約1000年後に栄えたのが前インカ文明です。
その前インカ時代のお墓がここナスカに残っています。

奥に見える緑地部分は、地下水が流れる川です。
人々はそこに住んでいました。
そして人が死ぬと、この砂地部分に葬りました。
ここには約500のお墓があり、ほぼ全て盗掘されたものの、一部は観光用に解放されています。
盗掘は主に布地と土器などの副葬品を狙って行われました。
この広い砂地のあちこちにある破片や白骨は盗掘の痕跡です。
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お墓はこんな感じのプライベートな一人部屋から
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ドミトリー形式のものまで様々です。
この時代の人は死ぬと内臓を抜き、肌に薬草を塗って、乾燥した大地にしばらく遺体を放置してカラカラにしました。
その後乾いた遺体の手足を折って体育座りに整えました。
ミイラは全て再生を願い、日の登る東側を向けて安置してあります。
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こうやってむき出しで展示されているものもあります。
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アンデス聖地博物館というのがあります。
たくさん博物館行ったしいいかな、、と思いかけていたら、この博物館にはかの有名な氷漬けミイラのフアニータちゃんがいるようで、アレキパ最終日に滑り込んできました。
彼女のドキュメンタリーをすごく昔見たことがあって、ずっと気になっていたので、見ることができて感慨深いものがあります。

入場料は20ソル、ガイドに任意のチップ、電子機器の持ち込みは一切禁止です。
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アレキパ周辺には火山が多くあり、インカの時代は噴火を鎮めるために何度か生贄が捧げられました。
フアニータと呼ばれたミイラは、12-14歳で、アンパト山の6700メートルを超える頂から見つかりました。
同時にもう少し低い場所で何体かのミイラも見つかっています。

この博物館には彼女が履いてきた靴も見つかっています。
アルパカの毛で覆われ、靴底も皮でできてはいるものの、こんな簡単な靴でクスコからアレキパの頂まで歩いてきたようです。
登山靴履いてても私しんどくてヒイヒイ言ってるのに。

博物館では最初にナショナルジオグラフィックのドキュメンタリー映像を見るのですが、20年以上前に自分が見たものと同じで、まさかこんなところで見ることになるとは思ってもいませんでした。
インカのトウモロコシのどぶろく酒チチャについて知ったのもこのドキュメンタリーがきっかけでした。

フアニータは冷蔵できる特殊なケースで展示されています。
このケースも日本製で、なんだか嬉しくなりました。
彼女は長期の冷凍により、通常よりかなり小さいサイズになってしまっていました。

なんとも私の興味のルーツをくすぐるような、とても感慨深い博物館でした。

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