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ワインが発酵している最中に行うルモンタージュという作業について書きます。
ソムリエ教本では、ルモンタージュは下の方のワインを上に移す、程度の記載のみで、実際の作業については気にもとめていませんでした。
シャトープレヴェールにて作業させていただく中で実際やってみたので、それについて書きます。

ルモンタージュにも色々種類がありますが、今回は酸素を入れないルモンタージュです。
ホース2本とポンプ一台を用意し、タンクの下の蛇口と上の口をこんな風に繋ぎます。
繋ぐ前にはこのでっかいホース自体も清潔にするために、外側も中側も洗ったり消毒したりします。
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上には人が登ってホースを支えます。
中にワインが入るとホースはめちゃくちゃ重くなります。
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ポンプを作動させて約2分程度、ワインを回転させます。
そうすることで下に溜まってた酵母が全体に行き渡り、発酵が活性化したりします。
この後ワインを無駄にしないようにホースを抜いたり、ホースを水で洗ったりするわけですが、それもまた簡単ではない作業です。
こんな風に、ソムリエ教本では数行で説明される作業も、実際にやると決して楽ではありません。

ルモンタージュにも種類があり、ワインに酸素を入れたい場合は、タンクからのホースを一度タライ(的な大きな容器)に移します。
そうして空気に触れさせたワインをポンプで吸って、またタンクの中に戻します。
どういう場合にどちらのルモンタージュをするかは発酵の進み具合と醸造家さんのテイスティング結果次第です。

最後にソムリエ試験の復習と自分の確認のため、ルモンタージュの効果を書いておきます。(頻出)
1.果醪液への酸素供給
2.タンク内の糖分、酵母、温度の平均化
3.果皮や種子からのフェノール類などの成分抽出

ベルジュラック空港とかいう超辺鄙な空港からロンドンに飛びます。
辺鄙な空港とか萌えます。
空港の屋舎はとても小さく、おそらく今までで最小かもしれません。
多分カンボジアのシェムリアップ空港、インドネシアのジョグジャカルタ空港、イランのシーラーズの空港を下回ります。
おそらくフランスとイギリスを行き来する便しかないから、フランス人とイギリス人のためだけにあり、どちらも先進国なので不法就労とかの心配があまりないからこれが成り立つのでしょう。
このパスポートコントロールのアットホームで和やかなこと。
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飛行機。
気流が乱れていたのと椅子がチープなのか、離陸も着陸も地響きがダイレクトに伝わり荒めの到着でした。
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ここで1番の難関だと思っていたのがイギリス入国。
今まで不法就労をふせぐために気分悪いくらい質問責めにされていたのですが、今回はなんとパスポートを機械に通すだけのあっさり入国!
スタンプもなし、ホテルやフライトのチェックの尋問もなにもなしであまりにびっくりしました。
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バゲージクレームにあったATMはクレカのキャッシングかデビットカードのみ対応しており、私のPRESTIAのキャッシュカードは使えませんでした。
そしてホテルで鍵のデポジットとして渡した10年前の渡航の残りの5ポンドと10ポンド、今ではプラスチック紙幣に変わっているようで使えず驚きました。
銀行に替えに行かなければ。
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滞在中のワイナリーChateau Pre Vertに時々いらっしゃっていたのは、近くのワイナリーChateau Lestignacのマチアスさん。
ナチュラルワインの生産者として世界的に有名な方です。
そんなChateau Lestignacをマチアスさんと奥様のカミーユさんに案内していただき、現在発酵中の果汁を飲ませてもらったり熟成中のワインを頂いてきました。
(通常見学は受け付けていないと思います)

まずはソーヴィニヨンブラン。
主発酵とマロラクティック発酵を同時に行うことで、超爽やかなソーヴィニヨンブランの香りがガツンとくる果汁になっています。
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これはセミヨン。
頂いたセミヨン2種類は、収穫時期や発酵方法の違いによって全くもって別物の味になっていました。
1つは超さっぱりな、レモン果汁のような爽やかなもの。
もう一つは、まろやかさをほのかに残した丸い感じの果汁でした。
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樽からいただいたのは、まずソーヴィニヨングリ。
果汁どころかワインすら飲んだことがない品種です。
百合とか蘭とか、白くて大きい花をイメージさせるような香りがしていました。
次は色々な品種をミックスしたもの。
シュナンとか、その他3つほどのきいたこともないような、昔この辺りで栽培されていた品種などが混ぜ合わされた逸品。
超香り高いシャルドネのようなイメージになっており、大変興味深いものでした。
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こちらは発酵が終わってあと一年寝かせるもの。
Lestignacのコメットというブランドの白ワインになる予定のものです。
樽の白を全て混ぜ合わせたものだとおっしゃっていました。
驚くほど余韻が長く、ずっと鼻の奥に蘭の花がありながらも、いろんな香りが押し寄せてくる感じでした。
どんな言葉を使えばこのワインの凄さが伝えられるのか適当なものが見つからないのがもどかしいです。
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この大樽の中のはメルロー。
大樽は新しいので、これからタンニンがもう少しついていきます。
既に少しシパシパしており、今後も強めのワインになっていきそうです。
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こちらのメルローはただいま発酵中、もう少ししたらテラコッタ製のアンフォラ壺に移すそうです。
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このアンフォラは今年買ったもので、以前のものより焼きがしっかりしているため密閉性が高く、コンクリートタンクに近い、と言われたとのこと。
どのくらい寝かせるかも決めていないそうで、どんなワインになるのかとっても楽しみです!
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この1か月ナチュラルワインについてみっちり習い、ドサージュや亜硫酸などで発酵をコントロールしないワインの凄さを目の当たりにしました。
まず1番違うのは翌日の気分の良さ。
次の日全然残らないので飲まなかった日と全く変わりません。
緑肥や剪定、その他手入れなどぶどうの木にかける手間も通常以上ですが、その工夫や知識、探究心には眼を見張るものがあります。
ぶどうの枝を軽く挟むことで後々まで残したい味を残す、などなど、私が習ったのはソムリエ教本の範疇までで農業など素人にも関わらず、感心するようなものがたくさんありました。
AOCのルールの範囲内でワインを追求するのも凄いですが、ナチュラルワインを作っている人たちの多くは、品種、農法、発酵熟成方法の探求を怠ることなく大変味わい深く面白いワインを作っていらっしゃいます。

ここはワインの国フランス、ワイン用ぶどうの育成に欠かせない気候条件である、1日の寒暖の差が激しい、というのをもちろんこちらも備えています。
とはいえ寒い時は暖炉に火を入れるレベルになってきました。
これがこちらの秋だそうです。
市場にも栗をはじめとする秋の味覚が並び、ぶどうの葉っぱは赤くなって、お庭にはトンボが飛び始めるようになりました。

そして秋の味覚のきのこ、それもポルチーニ茸が滞在中のワイナリー・シャトープレヴェールの敷地にも生えていました。
ポルチーニはフランスではセップ茸と呼ばれます。
お庭にポルチーニが生える、ってもはやパワーワードです。
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でっかい子もいました。
1UPするかも。
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ポルチーニの特徴は、笠の下のところが、こんな風にスポンジ状になっていることだそうです。
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たくさん見つけました。
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お昼はマッシュルームと混ぜてクリームソースにしました!
ポルチーニって乾燥しか食べたことがなかったけど、香りもいいけど食感は日本のナスのようでした。
外側は皮のようになってカリッとしており、中はよく焼いた茄子のようにトロトロです!
生ポルチーニが庭に生えるなんて、一生の運を使い果たしそうな贅沢だなと思いました!
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今日もAOCソシニャックの貴腐ワイン用ぶどうの収穫の続きをやってきました。
昨日の影響で背中、お尻、内腿がバキバキに痛いけど、収穫作業をしているうちに慣れてきました。
そして何故か痛みがマシになりました。
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本日は圧搾機を見学しました。
圧搾機もいろいろ種類があるようで、こちらで使用されているものは下のビニールの部分が風船のようにせり上がってぶどうを押しつぶし、ステンレス部分から果汁が出てくるというものでした。
しかもこれには果汁の量を測る機能まで付いてて、すごいなぁと感動していました。
もちろんこちらもナチュラルのワイナリー、圧搾時の亜硫酸添加はありませんでした。
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生産者のチエリさんが飲ませてくださったのは、昨日収穫したぶどうの絞り汁!
タンクで一晩寝かせて不純物を沈殿(デブルバージュdébourbage)させた上澄みなので、既に金色の貴腐ワインの色をしています。
チエリさんの甘口ワインは飲み口スッキリなのが特徴だそうで、ぶどうだとは信じられないような甘さ(糖度は18度)でありながら、口の中が粘りつくようなことはありませんでした。
貴腐ワイン独特の蜂蜜というかアプリコットのようなまろやかな香りは発酵後にしかでないようで、まだありませんでした。
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そうやって楽しんでいるうちに本日収穫分のぶどうを絞り始めました。
最初は収穫時に潰れたぶどうから出た汁のため、不純物が多く写真のように濁っていますが、圧搾を続けるとだんだん先ほどの黄金色に近づきます。
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そうしてできたワインがこれ!
これは2004年ヴィンテージで、琥珀色になっており、色がかなりいい感じです。
樽熟成は約1年だそうです。
発酵してもとっても甘くてさらにスッキリしていて、グビグビ飲めちゃうんだろうなあと思います。
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AOCソシニャックと書かれています。
この頃はソーヴィニヨングリとセミヨンだけでなく、ミュスカデの木もあったそうです。
日本だとこんなレアなアペラシオンはほぼ手に入らないので、飲むのがとっても楽しみです!!
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Special thanks to Château le Payral for all this amazing experience!

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