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メスカルの作り方は前の記事で書きました。
こちらは味やらなんやらに関することを書きます。
メスカルは味を左右する要素があまりにもありすぎて、もうお店の人にどういうのが好きか言って飲むしかないな、という結論に達しました。

テキーラにおいて重要だったのは樽熟成の長さ。
メスカルにおいては、樽熟成2か月以下のものをJoven/ホベン、2か月から1年のものをReposado/レポサド、それ以上をAñejo/アニェホと呼びます。
エクストラアニェホは存在しません。

メスカルには果物やらなんやら漬け込んだものがあり、それをAbocado/アボカド、と呼びます。
実際にアボカドが入っているわけではありません。
有名な芋虫入りメスカル、グサーノもこのアボカドの一種となります。

メスカルの蒸留時にフィルターとして鶏むね肉を使う場合があります。
こうすることで口当たりが滑らかになります。
また、フルーツやハーブと一緒に蒸留するときにも、通常鶏むねをフィルターにします。
この鶏むねフィルターメスカルを、Pechuga/ペチュガ、と呼びます。

もちろんアガベの品種も大変重要で、よくあるのがエスパディン、トバラなどです。
同じアガベでも畑による違いもあれば、蒸留器の違いでも味が大きく変わってきます。
また、単一品種のアガベで作るだけでなく、いろんなアガベを混ぜる場合もあります。
昔は山に入って品種関係なく良さげなアガベを適当に伐採して作るのがメスカルだったそうで、言わば伝統的という風にもとれます。

これが確かよくあるエスパディン
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これはアガベ・カルウィンスキーというもので、芯が棒状になっています。
草っぽいきゅうりみたいな香りが強く、私はこれが好きです。
ラベルにはCuishと表記されます。
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テキーラが甘みがあるのが良いもの!と大体正解があったのに対し、メスカルは全てが正解です。
これがメスカルの味の表現盤。
例えばミネラリーな中にも塩気があるのか、はたまた鉄っぽいのか、、と大変詳細に分類されています。
もう果てしないです。
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今回は1軒目で10種類以上(もはや覚えきれない)、2軒目で8種類のメスカルを飲みました。
試飲レベルとはいえ、ベロベロでした。

一軒目の蒸留所はこちら。
通常の蒸留器と伝統的な土器の蒸留器とでは、伝統的な方が攻撃的な味でおそらく雑味が多すぎて、喉を焼かれるようなアルコールでした。
個人的には赤いラベルのJoven Silvestreというのがフローラルな香りでとても好きでした。
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2軒目の蒸留所ではメスカルのみならずジンも作っていました。
まずは2回蒸留で普通のメスカルを作り、3回目にジュニパーなどなど入れて蒸留するそうです。
ジンに書いてある番号が、入ってるスパイスの種類です。
8種のやつは普通のジン、3種はアガベ臭さもわずかに残り面白い、32種になると複雑すぎてわからない、という感じでした。
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メスカルで使用するアガベは複数種類あるのですが、その育成期間も品種によってまちまちです。
短いものは7年、長いものは30年ほどかかるものもあります。
(写真はアガベの苗木)
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そのためアガベの生産量を一定に保つのが難しく、それに応じてメスカルの生産量も上がったり下がったりするそうです。
メスカル産業において持続可能性というのは現在最も注目されているテーマの一つで、2軒目の蒸留所、Gracias a Diosでは、壁材としてアガベの繊維を利用したり(写真)、発電にもアガベの繊維を燃やすなど、色々な工夫をされていました。
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メスカルは沼のように奥が深い飲み物だということがよくわかりました。
現在アメリカではテキーラよりもメスカルが人気で、「ヒップスターテキーラ」という扱いで取り扱う飲食店が急激に増えだしているそうです。
日本でももっとメスカルを輸入してほしいな、と切に思います。

今日はメスカルツアーに参加しています。
こういうツアーっていつもトリップアドバイザーを使うんですが、オアハカのツアーは全く充実しておらず、Airbnbの体験から予約しました。
今回は2ヶ所蒸留所を巡るツアーです。

メスカルとはリュウゼツラン・アガベから作られるお酒です。
テキーラとはよく混同されますが、テキーラはメスカルの一種で、生産地域と使うアガベの種類が限定されていること、製造方法の違いなどがあり、つまりメスカルのほうが大きな括りになっています。
主にこういう品種のアガベを使う、というのはありつつも、メキシコの原産地呼称だと、アガベから蒸留した酒をメスカルとする、と定めているそうです。
メスカルを原産地呼称のブランドとして最初に認定したのはスペインのハプスブルク家最後の王、カルロス2世です。
認定させたのはかの有名なホセクエルボ、当時はテキーラもメスカルの一種でした。
メスカルを好む人がニュースペイン(当時のメキシコの呼称)には多いにもかかわらずスペイン本土に出稼ぎに行く人が多かったため、そういう人を呼び戻すために取られた政策の一つだったということです。

蒸留所がたくさんある地域に入るときの看板には、蒸留機が乗ってて可愛いです。
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1軒目はこちら、リアル・マトラトルで生産方法を見せてもらいます。
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まずはテキーラ同様アガベをローストします。
この焼き方も色々あり、このような石だったり、ピザ釜みたいなのだったりするそうです。
ここで3日焼いて、さらに寝かせると、糖度が上がるとのことでした。
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焼いたアガベは、このあと挽いて繊維状にするための下準備として粉砕します。
やらせてもらったけど、このナタどんなに頑張っても下まで切れません。
熟練する必要があります。
そしてこの時点のアガベを食べさせてもらったところ、水分たっぷりでジューシーな干し芋のような味がしました。
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粉砕したアガベは馬にひかせて繊維状にします。
テキーラはここは機械でしたが、ここも伝統的に馬でやるのがメスカル流です。
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粉砕したアガベに加水(お湯)し、このまま自然にイーストが飛来するのを待って発酵させます。
気候がよければ3-4日程度で発酵が完了します。
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発酵させたものをアガベごと蒸留機に突っ込んで蒸留します。
蒸留はテキーラ同様2回行います。
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蒸留機はスペイン人が持ち込んだものでした。
アステカ含むメソアメリカの原住民は金属を知らなかったため、土器で蒸留器を再現しました。
ツボの中に発酵物を入れ、一番上の柄杓状の部分にに氷や冷水を入れます。
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中はスコップ的なものが入っており、蒸気が上の冷水部分で水滴に変わり、このスコップを伝って外のホースに出て行きます。
この蒸留機のあり方でも味が変わります!
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ちなみにこちらは2軒目の蒸留所の蒸留器。
このパイプが高ければ高いほど、純度の高いアルコールが取れるそうです。
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こちらは遺跡から出土した謎の土器のレプリカ。
もちろんスペイン勢が来る前のものなのですが、正確な用途は分かっていません。
しかし色々通説はあり、一説には蒸留器だったんじゃないか、というのもあるそうです。
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味や分類などは別記事に書きます。

プルケはアガベから作られる醸造酒です。
テキーラのように蒸留されておらず、ジュース感覚で飲めます。
前にメキシコシティのプルケ博物館で飲んだ時は、濃いどぶろくみたいで飲みにくかったことをテキーラツアーのガイドさんに伝えると、美味しいお店を教えてくれました。
プルケ屋はPulqueriaとよばれます。
お店はセントロの方にあるLa Chukirrukiです。

まずはガイドさんにオススメされたパイナップルプルケ。
本当にクセがなくて美味しい!
どぶろくっぽかったのは米粒のような何かが舌に当たるからだったのですが、ここのは本当にスムーズに飲めます。
フルーツなしのプルケはおそらくNaturalとよばれます。
これも以前と違い、まるでそのものがフルーツジュースのようでとても美味しかったです。
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つまみはトウモロコシをくれます。
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プルケのイメージが一新されたので、プルケやどぶろくが苦手な人にも是非行って欲しいお店だと思いました!

テキーラ村は、グアダラハラから車で1時間ほどのところにあります。
中心部は大きな建物はないものの、カラフルな建物の奥に山が見える、とても素敵なところです。
また、町中至る所にバーがあり、メキシコで唯一屋外での飲酒が黙認されている街だということです。
中心部を少し離れると、小さい蒸留所がいくつもあります。
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町中至る所にある、フォトジェニックな「テキーラ」の表示があります。
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村役場にはこれまた大きなアガベの絵が書かれています。
盛大なインスタ映えな街です。
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ここはホセクエルボさんのご自宅。
今はお土産やさんになっています。
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街中には樽の形、ビンの形、トウガラシなどいろんな形の観光バスが運行されています。
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一番ビックリしたのはこれ、パパントラ。
メキシコはパパントラという街に伝わる太陽への礼拝ですが、現在はこの町の人がメキシコ中を興行で回ってお金を稼いでるみたいです。
昔イッテQで見たことあったけど、リアルに見たらものすごい衝撃でした。
一番上に命綱もなく立って回る人とか、くるくる回りながら楽器鳴らすひととか。。

本日ツアーで訪れたテキーラ蒸留所は2箇所です。
それぞれ4種類と2種類、試飲してきました。
試飲ていうかめちゃくちゃたっぷりくれました。
人生でこんなにテキーラ飲んだことはありません。
しかし同時に、テキーラに対するイメージが一新されるような味でした。

まず1軒目、Cava de Oro、黄金のセラーとでも訳しましょうか。
こちらは中くらいの蒸留所ながらテキーラのフェラーリと例えられるほど、高品質なものを生産されています。
使う樽は全てフレンチオーク、熟成年数が経つにしたがって増える柔らかい香りと甘みがまるでブランデーのようでした。
まず3週間の樽熟成のクリアなもの、樽香はありませんが、甘さとアガベ本来の土臭さは健在です。
次にレポサド、色はこれぞテキーラといった黄金色ながら、深みや甘みは日本で今まで飲んでたテキーラとは比べ物にならないほど良いです。
続くアニェホは、もはやブランデー、ブラインドで出されたらもうわかりません。
エクストラアニェホは蜂蜜感がありつつもアガベがしっかり香る逸品中の逸品でした。
最後はエクストラアニェホのクリア。
これはエクストラアニェホをフィルターで濾過したものだそうです。
透明なのに樽香もあるし熟成感も多少は感じられるので確かに面白いものの、エクストラアニェホのいいところがなくなってしまったような感じでした。
これらはもはやクラブで煽るようなパーティードリンクではなく、味のわかる人たちと語らいながらちびちび舐めるように飲む、大変贅沢な飲み物でした。
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次はTres Mujeres。
バーやレストランでもよく見かけるこの銘柄も、安酒からプレミアムなものまで、幅広く取り揃えているようです。
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こちらで試飲したのはエクストラアニェホの2種類。
使われる樽はもちろんフレンチオークです。
まず通常のエクストラアニェホは、Cava de Oroのような濃厚な蜂蜜感はなく、もうすこしスッキリしたドライ目な飲み口でした。
対してエクストラアニェホダークは、新樽に寝かせてしばらくしてから、もう一度新樽に移すことで樽感を強烈に出した逸品。
樽から溢れる甘みが酒に移り、Cava de Oroのエクストラアニェホに近い味わいになっていました。
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こちらはテキーラカクテルだとか。
いろんな種類があって!このマグカップで飲むのが伝統的らしいです。
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テキーラは世界に紹介されたのが安くて酔うためだけのものだったこともあり、我々にはパーティー飲料としての印象が強いです。
しかしメキシコ人にとってはテキーラは、例えば日本人にとっての正月の日本酒のような位置付けの、贅沢な飲み物という枠です。
今回私が飲んだのは、贅沢中の贅沢なテキーラだったそうです。
本当に今までのパーティードリンクのイメージを一新させてくれるような体験でした!

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