酔う子のユーラシア大陸お散歩ログ

ソムリエで料理研究家の酔う子が自由気ままに世界で飲み歩く様子をお届け

タグ:カカオ


旅の間、何度かチョコレートを頂く機会がありました。
というのも普通のそこらへんで売ってるチョコではなく、カカオから作ったチョコ製品です。

メキシコのオアハカはチョコ発祥の地と言われており、かつて先住民が神聖な飲み物としてチョコ飲料を飲んでいました。
現在でも市場とかで売られているのを買うことができます。

有名なチョコソースのお肉、モーレも同じくオアハカ発祥です。




ペルーの首都リマのミラフローレス地区にはカカオ豆から作るチョコ工場があり、未発酵のカカオ豆を触らせてもらったり、発酵させたカカオ豆を試食させてもらったり、色々な体験をしました。

そして最近友人からチョコレートをカカオ豆から作るキットをもらったのでやってみました!
キットには発酵済みカカオ豆、チョコの型、作り方の説明のブックレットが入っています。
ちなみにカカオ豆はインドネシア産だそうです。
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これがカカオ豆。
袋を開けると僅かな発酵臭というか、すっぱみのある匂いがします。IMG_5263

水で洗います。
ぬめりがあるのでガシガシ擦りました。
ずっと汚れが出続けて、一体いつまでやればいいのかよくわかりません。
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なんとなく汚れが取れたっぽいところで水からあげ、水分を拭き取ります。
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そしてカラカラになるまで焙煎します。
20分ちょいやったと思います。
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お皿にとって冷まします。
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皮を剥きます。
結構簡単につるつる剥けます。

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剥いた実はフードプロセッサに入れます。

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ちなみにここで剥いた皮もお茶になるのでとっておきます。
なんか美容効果とか色々あるらしいです。
ペルーで試飲しましたが、チョコの香りの大変香ばしいお茶でした。
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フードプロセッサに入れた豆を粉々にします。
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さらに湯煎しながら回します。
本来はすり鉢で湯煎でやるらしいですが、そんなことしたらきっと挫折すると思います。
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砂糖を入れ、さらに湯煎しながら回します。
とりあえず手元にあったきび砂糖を使ったのですが、粉砂糖にしないと出来上がりの食感がジャリジャリするかもしれません。
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フードプロセッサの側面にへばりついた粉を落としながらさらに練ります。
なんか1時間くらいこの作業してた気がします。。
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滑らかになりました!
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付属の型に入れて冷蔵庫で寝かせたものがこれ
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取り出すと、つるんときれいなチョコになりました!
市販のチョコより溶けやすく、常温でなんとなく溶けます。
市販のものにはない、ペルーとかで食べたものにあったような発酵の酸味が残っており、これを味わえたのは大変貴重な体験でした。
しかし大変すぎるので多分もうやらないし、ありがたく市販のチョコを買います!
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祭りや歴史・文化の観光ネタを凝縮した
「酔う子とピラニアのからあげ」


ワインエキスパートによる、世界の珍酒、名酒レビュー
「酔う子とひつじさんの酒だる」

 

世界で食べ習った美味しいレシピを集めた
「酔う子とドリアンのまるやき」


他の3冊にはちょっと書けないエロ・グロ・政治宗教ネタを集めた(ほぼ)書き下ろし
「酔う子とペンギンのゆでたまご」





English translation of my book

おそらくメキシコを代表するのかもしれない肉料理、モーレ。
モーレの主な材料は、メキシコはオアハカ原産のカカオ、つまりチョコレートと、メキシコ料理のシンボル唐辛子です。
そこに東洋のスパイスであるシナモンや胡椒が入り、とってもエキゾチックな味の肉料理が完成しました。
チョコと唐辛子って味の想像がつきにくいかと思いますが、みりんと醤油だと思ってください。
これで多少想像しやすくなると思いますが、モーレはメキシコの甘辛照り焼き的ポジションです。 

スペイン人がメキシコを征服した際、このモーレのレシピを考案しました。
シナモンや胡椒など東洋の材料、くるみなどヨーロッパの材料をミックスすることで、この料理がここで流行れば良い交易相手となる、と目論んでのことでした。

モーレネグロ(5人分くらい)
材料
鶏肉 5人前

☆以下ソースの材料
トウガラシ(アンチョネグロ、ムラート、パスィージャ) 各100g(トウガラシと、塩昆布で代用できるか?)
トマト 500g
砂糖 80g
レーズン 30g
アーモンド、くるみ、ピーナッツ、ごま 各30g
チョコレート(今回はミルクなしの砂糖入りチョコレートを使用。日本では適当に普通のチョコを使って良い) 30g
胡椒 3粒
シナモンスティック 1
オレガノ 小さじ1
塩 大さじ1
玉ねぎ 4ぶんの1個
にんにく 5かけ
バナナ 半分
食パン8枚切りを半分くらい

作り方
まず事前に鶏肉を1.5リットルの水で煮込んでおきます。
煮汁は捨てないようにしてください。

これがトウガラシ3種類。
いずれも乾燥させてはあるけど、レーズン程度のしっとり具合です。
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こちらがナッツ類、香辛料類。
もちろん殻があれば除いて測ってください。
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まずトウガラシを割き、中の種を出して捨てます。
種が辛いのでちゃんと除きましょう。
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トウガラシをフライパンで焼きます。
パリパリサクサクになるまで両面じっくり焼くのですが、これが時間かかります。
量も多いので、オーブンでやれば、と思うかもしれませんが、そうすると匂いで目がヤバいくらい痛くなるそうです。
玉ねぎの比じゃないらしいです。
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焼けたらトウガラシをお湯に浸します。
お湯に浸すというより、弱火で沸騰させないくらいで煮込む、という感じが正しいです。
するとトウガラシの味が移った水が出来上がります。
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トマトと玉ねぎも柔らかくなるまで炒めておきます。

その後、全ての材料と鶏の茹で汁を2カップほどミキサーに入れて滑らかになるまで回します。
多い場合は数回に分けてミキサーにかけます。
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こちらはホストの方。
ミキサーがない頃は、この石のやつでゴリゴリしていたそうです。
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ミキサーにかけたものは、ザルくらいの荒い網目のもので濾し、鍋に移します。
最後は手で絞るようにしていました。
こちらのご家庭では濾したカスはお庭の肥料にしていました。
砂糖と塩は濾した後のタイミングで入れます。
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濾したソースを入れたお鍋は火にかけ、25-30分ほどグツグツします。
時折焦げ付かないように、底をかき混ぜます。

ソースが完成したらあらかじめ茹でておいた鶏肉を入れ、温めます。
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完成です!
付け合わせのご飯には、少量塩を混ぜて炊いていました。
チョコソースにはかなり砂糖を入れているので、味見しながらちょうど良いところを見つけてください。
濃厚な香ばしい甘辛ソースがお肉に絡む、絶品料理です!
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オアハカはチョコレート発祥の地として知られています。
その代表的と思われる(市場とかでよく見る)ものが、このテハテという飲み物です。
これはかつて神の飲み物と言われ、紀元前からこの地に栄えたサポテカ文明の王族が宗教儀式を行う際に飲んだそうです。
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この白いアワアワみたいなのが入ってるところから汲み出してくれます。
このアワアワの正体は結局わかりませんでした。
なんか甘ったるくて、チョコレートの脂肪分みたいでした。
あの一回溶けたチョコが白くなるときの白くなったところ。
材料はカカオ、トウモロコシの粉、Mameyというフルーツ、Huayapamという花だそうです。
いろんなサイトを見ていると、このHuayapamという花が「カカオの花」というような名前で扱われており、絶対欠かせない大切な材料のようです。
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