酔う子のユーラシア大陸お散歩ログ

ソムリエで料理研究家の酔う子が自由気ままに世界で飲み歩く様子をお届け

タグ:エビータ

世界で一番美しいと言われるのが、このレコレータ墓地です。
墓地は大変広く、お目当のお墓を名簿から探すのも一苦労です。
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墓地といっても地面に十字架をぶっ刺したようなものとはちがい、メキシコの墓地のように建物のようになっています。
1つの建物の中に家族で入っていたり、1人で独占していたり、いろいろです。
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こうやって見るお墓は、お墓というよりももはや街のようになっています。
一つ一つの建造物に工夫が凝らされており、個性的です。
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奥にある教会では、棺運搬用のゴロゴロが置いてありました。
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この墓地の私のお目当一つ目がこちら、ルフィーナ・カンバーチェッレのお墓。
彼女は若く美しい時に突然死しここに葬られたのですが、あるときお掃除していたおじさんが、棺の蓋がズレているのに気づいたと。
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それがこちら、鉄格子の隙間から撮りました。
蓋を開けて見ると、棺の蓋の裏に引っ掻いた跡があり、顔は苦悶に歪んでいた、と。
本当か嘘かはわかりません、というのがこのお話です。
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そしてもう一つというかメインのお目当がこちら、エビータのお墓。
ドゥアルテ家のお墓として、家族でここに埋葬されています。
エビータの遺体は防腐処理をされて展示されたり国外に移されたりとめちゃくちゃ色々あって、今はこちらに落ち着いているそうです。
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扉には今でもお花が絶えません。
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エビータについての事柄はこちらのプレートにもぎっちり書かれています。
諸説あるけど私はエビータがとても好きです。
多分彼女が生きてたら友達になれるタイプではないだろうけど、学ぶものがたくさんある革新的な女性だろうと思います。
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マドンナ主演で作られた映画「エビータ」で有名なエビータ。
アルゼンチンで1946年から1952年で亡くなるまで、独裁者と言われた大統領フアン・ペロンの妻だった女性です。
この映画は私の大好きな映画の一つです。

彼女は田舎町で私生児として誕生しました。
本家とは色々差を付けられ貧乏な生活で、絶対ブエノスアイレスに行ってのし上がってやる、と心に決めたエビータは、15歳でブエノスアイレスにやってきます。
最初はカフェの女給から始まり、どんどん男性を取っ替え引っ替えしてのし上がっていきます。
ラジオドラマで大きな役どころを演じていた20代前半、ペロン将軍と出会います。
表向きはペロン大統領を立て、外交や慈善事業などをしますが、裏では贅沢三昧でした。
しかしエバ・ペロン財団による慈善事業の効果は大きく、国民はエビータを、つまりペロンを支持し、その支持は両名の死後である現在まで続いています。

ブエノスアイレスに到着し、地下鉄の駅を探しましたが全く見つからず、タクシーでホテルまで向かいました。
その道中見えた連邦政府庁舎には、大きくエビータの絵が書いてありました。
タクシーの運転手さんに、あれエビータやろ?!って言ったら嬉しそうに、写真取れるようにゆっくり走ってくれました。
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その裏にはペロンの絵が描かれています。
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アルゼンチンの大統領府カサ・ロサーダ。
「ピンクの家」という名前の通り本当にピンクでした。
映画エビータの撮影は、実際にここを使って行われたそうです。
中央上部のバルコニーの窓が開いており、それだけでなんだか嬉しかったです。
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そしてエビータ博物館。
ここには彼女の遺品などが展示されています。
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写真撮っていい箇所は結構少なかったです。
この写真はすごく写りの良い一枚だと思います。
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彼女の幼少期の写真が飾られています。
彼女の母は貧乏を気にしないで過ごせるよう努めていたようです。
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エビータの帽子やコスメの一部。
特にコスメは今見ても可愛らしいものばかりでした。
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洋服。
一部は再現のようです。
若く美しい女性なら着飾りたい願望はあると思うので、私はあまりエビータを責める気にはなれません。
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実際に使われていたらしいリビングの家具。
座って写真も撮れます。
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エバ・ペロン財団の看板など。
この財団では貧しい人々の生活支援や孤児院、学校の開設を行っていました。
また国内のみならず国外へも多く支援しており、終戦後どん底だった日本もその対象だったそうです。
彼女は男を使ってのし上がったため娼婦と言われることもあり、この財団は彼女にとっては表向きだけだったかもしれないけど、私個人はこの時代にこういったUNICEF的な動きをした彼女の行動力は大変素晴らしいと思います。
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男を使ってのし上がるタイプの人は、あまり女友達がいないイメージでした。
しかしエビータの映画では友達に別れを告げる一瞬があったりします。
ファーストレディとなってからも婦人会の結成などをしているところを見るとそうでもないようです。
おそらくただの男狂いではなく男をツールとして世渡りしてきた彼女は、あまりそんなことはなかったんでしょう。

彼女は若くして子宮癌を患い、死去します。
享年33歳だそうです。
私31歳もうすぐ32歳、まだまだ世界をぶらぶらします!

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