酔う子のユーラシア大陸お散歩ログ

ソムリエで料理研究家の酔う子が自由気ままに世界で飲み歩く様子をお届け

タグ:イースター島

イースター島は基本的に人家が少なく絶海の孤島なため、星がとてもよく見えます。
それを利用し、天体観測ツアーまでありました。
往復の送迎と写真、合間のホットドリンクとお菓子、天体の解説つきで、お値段90ドル!
この島はどこまでも高い。
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ツアーは9時ごろからアナケナビーチ付近で行われます。
宵の明星から始まり、牡牛座のプレアデス星団や、オリオン座のM42星団までバッチリ見えます。
ポリネシアの民族は星を頼りに航海をしており、星はとても大切なものでした。
遺跡にも天体観測関連のものがいくつか残されています。
星座の神話もいくつか残っており、一つこの島のものを教えてもらいました。

イースター島に夫婦が住んでいた。
ある日夫が仕事から帰ると、妻が家で浮気している現場を見てしまった。
ブチ切れた夫は妻と浮気相手を殺害してしまう。
そのすぐ後に妻を殺したことを後悔し、大好きな妻に少しでも近づこうと、二人の子供と一緒に崖から身を投げる。
妻はオリオン座の一等星ベテルギウス、身を投げた3人はオリオン座の三つ星であるといわれ、三つ星はどれだけ頑張っても妻の星に近づくことはできない。

悲しい話なんだけど、浮気相手は放置?と私は思ってしまいました。

最後は星空写真を撮ってもらって終わり!
楽しかったけど、やはりちょっとお高かったなあ、と思いました。
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やっとこさイースター島ラパヌイ博物館に行けました!
島に来てから大晦日や新年、土日や休館日が重なって全く行けてませんでした。
火曜から土曜は通常営業、日曜は午前中だけ、月曜は休館日です。
物価の高いこの島にしては珍しく、入場料は無料です。
ここに行った人に言わせれば、ネットで見れる情報ばかりで面白くないとのことでしたが、私にとっては全くそんなことはなく、モアイの情報しか浮いてないネットと違い、歴史や人々の生活にまで言及した、大変興味深い博物館だったと思います。
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まずはポリネシアの歴史から始まります。
この島はポリネシアといわれる地域の一部で、確かに絶海の孤島ではありますが、航海術に長けたこの民族はカヌーでニュージーランドやハワイにまで足を伸ばしていました。
写真は当時の海図で、潮の流れや島までうまく表現されています。
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この島ではさまざまな作物が取れます。
ヤムイモやバナナなど、とても豊かに色々育ったそうです。
なかでもトトラ、という植物は、実が食用にもなれば、叩いて繊維状にして衣類や布として利用したそうです。
トトラの実は実物を見ることができませんでした。
また料理は、土を掘って石で囲んだオーブンで時間をかけて肉や魚をじっくり調理するのが伝統的だそうです。
現在でも伝統行事の際はこれで料理を作るそうです。
掘ったオーブンなら湿気た洞窟でもお肉を焼けるんじゃないかなあと思いました。
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モアイについてももちろん言及されています。
モアイは元々先祖について思いを馳せ、自らの原点を思い出すためのものだったようです。
なので神様ではなく、決して崇拝対象ではなかったと推察されています。
大した道具もないこの時代に、モアイたちをどうやって運んだのか、また大きな重い石の帽子をどうやってモアイの頭上に乗っけたのかも大きな謎になっており、それについて図解でいろんな説を解説しています。
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モアイ関連で避けては通れないのが「マナ」という概念。
これは超自然的なスーパーパワーの類であると訳されますが、みんなで力を合わせて生まれる大きな力もまた、マナの一種と考えられました。
そのマナの象徴とも言えるのが、モアイの目。
白いサンゴで作られているのですが、現在は外に立ってるモアイの殆どの目は落ちて割れてしまっています。
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この島には文字もありました。
ロンゴロンゴ文字と呼ばれ、既に解読されているそうです。
これは表音文字ではなく表意文字で、一つ一つの文字が日にちや事柄などを克明に表しているそうです。
この博物館に併設された図書館には一冊だけ日本語の本が置かれており、それはこのロンゴロンゴ文字の解読の翻訳でした。
中身を見ると一部解釈には半信半疑になる部分もありつつも、モアイの謎から生活まで克明に記されており、なかなか説得力のある面白い内容でした。
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この他にも、人々の服装、タトゥー、葬儀について、ほかでは見れない内容などが細かく展示されています。
島の遺跡の多くには満足な解説がなく、ツアーで回らない限り理解も進まないことが多いです。
どんな人にもお勧めできる面白い博物館でした。

イースター島の名物はパイナップルとまぐろです。
この島は日本レベルに物価が高く、マグロなんかもレストランで食べようと思うと1皿2000円くらいするから毎日ご飯は自炊しています。
そこでなんとか食べれる価格のものが、パイナップル。
安いやつは100円ちょっと、1000ペソくらいからあります。
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これを買うとその場でお姉さんがザクザク剥いてくれます。
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パイナップルの頭を持ち手にして完成!
この島のパイナップルはものすごく甘味が強く、缶詰のパイナップルを食べているような感じです。
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イースター島じゅうの遺跡(つまり国立公園の敷地内)に、パイナップル、バナナやらその他の野菜や果物がもりもり自生しています。
私はパイナップルが生えてる様子を初めて生で見ました。
国立公園の敷地のものはみんなのものだから、適当に取ってたべていいそうです。
私は気が咎めてやってないけど。
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なぜこんなにビールたくさん飲んでるかというと、イースター島に長く滞在しすぎてやることがなかったからです。
WiFiがあるカフェに入り浸っては呑んでました。

まずはチリの国民的ビール、エスクード。
魔法騎士レイアースで似た名前の何かを見かけた気がします。
さっぱりスッキリの美味しいビールです。
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こちらもピルスナー系ビール。
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同じくピルスナー系ビール。
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チリの南の方で作られるらしいクンストマン。
お値段的にも味的にも、満足度の高い一本です。
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こちらも南部で作られる、アウストラルの黒ビール。
コクがたまりません。
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こちらもアウストラル、エールです。
アウストラルのシリーズは香りも味も良くて、お金があるなら飲みたい逸品です。
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ここからはイースター島地ビール。
泡もなかなかクリーミー。
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こちらはピルスナータイプ。
ツアーでご一緒したイギリス紳士がゴチってくれました。
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ラベルが秀逸なのがこちら。
島的にはこれを推しているようです。
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食人生贄エピソードが大好きで、ぜひ人間を食べてみたい私です。
イースター島でモアイの次くらいに興味津々だったのが食人エピソード。
食人エピソードだけはどこに行っても大っぴらに語ってくれる人は少ないですが、私個人は聞きたくて仕方がないトピックの一つです。

イースター島の観光地だけど何故かツアーには組み込まれていないのがこの洞窟、Ana Kai Tangataです。
街の中心部から歩いて40分ほどで着きます。

波打ち際は岩に囲まれており、ひっきりなしに高い波が押し寄せ、泳ぎたい気分にはなりません。
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そんな波間に等しいような場所にあるのがこの洞窟。
おととい訪れたオロンゴ儀式村で行われる卵探しゲームの勝者が、負けた人たちを食したと言われる洞窟です。
食うか食われるかのガチンコ勝負ならたしかにみんな頑張ります。
一部の人は食べられるのが怖くて、沖合の島から戻らず餓死したとも伝えられています。
海中には昔の名残りなのかな?と思われる不思議な形の石も見てとれます。
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洞窟内部は湿気がこもっています。
なぜわざわざこの場所を選んで、どうやって人を食べたのかは明らかではありません。
オロンゴからはまあまあ距離があるので、負けた人は食べられることを知りながらこの距離を歩いたのだとすると、ものすごいメンタルだと思います。
解体してから血を流すのはもってこいだと思うし、塩水で洗えば味も良くなると想像します。
しかし潮風も強く、火をおこすのは一苦労と思われるこの場所で、どのように調理したのかは疑問です。
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そんなことを考えるのはおそらく私だけで、観光客はここに残された壁画を見て楽しみます。
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