酔う子のユーラシア大陸お散歩ログ

ソムリエで料理研究家の酔う子が自由気ままに世界で飲み歩く様子をお届け

タグ:イタリア

北イタリア
気候と地形
温和な気候、夏は乾燥していて短い。ガルダ湖やポー川は内陸部の気候を穏やかにする。
海の近くは降雨量が多く、菌類病が問題となる。
収穫量の多いブドウの木が低密度でパーゴラと呼ばれる複雑な棚付(→アルゼンチン)は、キャノピーは高く仕立てられ水平方向に歯が伸びるキャノピーの下にぶどうが垂れ下がる→日焼けを防ぐ、通気性をよくして不肺病発生リスクを最小にとどめる。
パーゴラが使われるのは、高い酸味と低い糖分のぶどう、パッシート用の損傷や病気の内部動画必要な場合
近年では垣根仕立てで高密度で植えるのが一般的。
イタリア最北のDOCアルトアディジェは温和で乾燥し日較差が大きく、ブドウの生育期に雨は少ない。
フリウリのアルプス山麓部は温和な大陸性で山から吹く風で冷涼化され、アドリア海側は海洋性気候。
ピエモンテは温和な大陸性で夏は雷雨や雹、霧が発生するがポー川とマッジョーレ湖が緩和。

DOCとぶどう品種
アルトアディジェ(北部)、トレンティーノ(南部)
 ピノグリージョ(辛口、ライトからミディアムボディ、高い酸味、柑橘類や緑系果実の風味)

フリウリグラーヴェ
 平地で生産、白ワイン、主にピノグリージョ

コッリオ、コッリオリエンターリ
 丘陵地、より凝縮感のある上質の白ワイン、ピノグリージョが主

ヴェネト
 ポー川があり、肥沃な平地。湿った空気と霧の影響で、病害対策の農薬散布回数が多くなる。
 大量生産、主にピノグリージョ。

ソアーヴェ(全域)、ソアーヴェクラシコ(丘陵地帯)
 クラシコの丘陵地帯の土壌は石灰岩と粘土、さらに高度が高いので低温、ブドウの成熟が遅くなり高い酸味を保ちながら完熟、長期の瓶熟成も可能。
 全域の平地部分は砂質の沖積土、中程度の酸味で果実味が増した早飲み用。
 ガルガーネガ(中程度から高い酸味のミディアムボディ、洋梨、赤リンゴ、有核果実、時折白胡椒。瓶熟成するとアーモンドや蜂蜜の香りを発達させる。オーク使用なし)

ヴァルポリチェッラ(全域)、クラシコ(丘陵地帯)
 ソアーヴェ同様丘陵地帯は粘土と石灰岩が混ざり、高い酸味を持つ。南部の平地は砂利と砂(暖かい)ため、果実味がまして酸味が低くなる。
 コルヴィーナ(色は中程度、低から中程度のタンニン、高い酸味。レッドチェリー。シンプル。オーク使用なし)
 アマローネデッラヴァルポリチェッラはパッシート製法で辛口、フルボディ、アルコール高、タンニンは中〜強、凝縮されたレッドベリーと香辛料、オーク使用あり。
 レチョートデッラヴァルポリチェッラパッシート製法で甘口(発酵は自然に止まる)、赤系果実、高いアルコール、フルボディ、タンニンは中〜高。

バローロ、バルバレスコ
 急勾配の南向き斜面(バローロは300〜500m、バルバレスコは200〜400)。
 タンニンを和らげるため大樽で数年熟成していたが、現在は畑管理と穏やかな抽出法で滑らかなタンニンを実現。
 バルバレスコは標高がわずかに低いことと川の影響で若干温暖、成熟が早く、果実味は増すが香りは弱くなる。
 ネッビオーロ(酸味が高くタンニンが多い、サワーチェリー、ハーブ、時折ドライフラワーの風味、敏熟成によってトリュフ、タール、皮革の風味)

バルベーラダルバ、ドルチェットダルバ
 バルベーラ(晩熟、中〜濃い色、低から中のタンニン、酸味は高く、レッドチェリーやプラム、黒胡椒の風味。オークは使う場合と使わない場合あり)
 ドルチェット(色は濃い紫、中〜高のタンニン、中程度の酸味、ブラックプラム、レッドチェリー乾燥ハーブ)
 どちらも早飲みできるが、良いものは熟成できる。

ガヴィ
 南東部の丘陵、高度と海風の影響。
 コルテーゼ(高い酸味と花、柑橘、青リンゴ、洋梨の風味、ライトボディ、酸味高い、強い香り。樽はほとんどない)

醸造
 パッシート(骨格と風味の凝縮度を強める。酸味が高いうちに摘み、屋内で乾燥させる。発酵は冬場に行う)
 リパッソ(発酵しているアマローネデッラヴァルポリチェッラの皮を発酵直前に抜き取り、可否をみ圧搾のまま発行を終えたヴァルポリチェッラの容器に加える。さらに発酵が進み、ワインの色と風味とタンニンを強める。ヴァルポリチェッラリパッソ、ミディアム〜フルボディ、中〜高のタンニン、煮込んだレッドチェリーやプラム)

中部イタリア
気候と地形
アペニン山脈の高度が高温の気候を緩和する。
キアンティクラシコは通常のキアンティよりも標高が高くて冷涼なため、

DOCとぶどう品種
キアンティとクラシコ
クラシコの方が標高が高いため、酸味が高くハーブの香りが強くなる。
サンジョベーゼ(皮が厚く熟すのに時間がかかるので温暖な気候が必要。レッドチェリープラム、乾燥ハーブ、オークの香辛料の風味。瓶熟成によって肉、猟鳥類の風味。)

モンタルチーノ
ブルネッロ、ヴィーノノビーレ。
キアンティよりも標高が高い場所にあり、温暖な気候が海洋性の風で緩和される。
気候ゆえにより凝縮されてボディも濃厚、二年の樽熟成。

ボルゲリ
平坦だが、海風によって気温が下がる。
ボルドー品種など。

オルヴィエート
内陸のウンブリア州、大陸性気候。
グレケットとトレッビアーノ(ライトボディ、酸味は中〜高、熟したグレープフルーツや桃。酸化を防ぐ醸造(不活性容器で低温発酵)。

フラスカーティ
ラツィオ州。ローマの南の旧領地帯は高度が高く、周辺の湖の影響で気温が下がる。
マルヴァジア、トレッビアーノ(ミディアムボディ、中〜高い酸味、柑橘、オレンジの木や花の香り。オークなし)

ヴェルディッキオ・デイ・カステッリ・ディ・イエージ
アペニン山脈東側。
酸味が高く、青リンゴとレモンの風味、時にフェンネルやアーモンドの香り。瓶熟成によって蜂蜜やアーモンドの香り。

モンテプルチャーノダブルッツォ
タンニンが多く、酸味は中程度、ブラックプラムやチェリーの風味、シンプルでオークは基本なし。

南イタリア
気候と地形
高温で内陸部は乾燥、沿岸部は湿度が高い。アペニン山脈の斜面に畑を作り、高度が暑さを緩和する。
ぶどうを日焼けから保護するため、低く株仕立てされる。

DOCとぶどう品種
フィアーノ・ディ・アヴェッリーノ
カンパーニア。
中程度の酸味、ミディアム〜フルボディ、有核果実、メロン、マンゴー、瓶熟成による蜜蝋や蜂蜜の風味。早飲み。

グレコ・ディ・トゥーフォ
カンパーニア。
高い酸味、ライトボディ、青リンゴ、有核果実、パッションフルーツ、瓶熟成による蜂蜜やきのこの風味。ステンレスタンク。 

タウラージ
カンパーニア、アリアニコ。
 色が濃く、酸味が高くてタンニンが多く、黒系果実の風味、樽熟。瓶熟成による土、林床の風味。

アリャーニコ・デル・ヴルトゥレ
山の多いバジリカータ、高い場所では900メートル。

プーリアIGT
ネグロアマーロ、プリミティーボ

サリーチェサレンティーノ
プーリア。 
ネグロアマーロ(タンニンと酸味が中程度、アルコール高、焼いた赤系果実、黒系果実、フルボディ。オークあり)
プリミティーボ(フルボディ、タンニン中〜多、高いアルコール、非常に熟したベリーの強い風味。オークあり) 

テッレ・ディ・シチリアIGT、シチリアDOC(収量少なめ)
 ネロダヴォーラ(ミディアム〜フルボディ、中程度の酸味とタンニン、プラムやブラックチェリー)

エトナDOC
標高の高い畑で収量の少ないVV。
酸味が高く、タンニンが多く、レッドサワーチェリー、クランベリー、ラズベリー 、乾燥ハーブ。瓶熟成によるきのこの風味。


イタリアはトスカーナのワイン 蔵巡りの中で頂いたのが、なんだか美味しいサラダ、パンツァネッラ。硬くなったパンを食べやすくして消費するための料理だそうです。
その昔トスカーナの海側は別の人が支配する領土だったため、関税が高すぎて塩が手に入らなかったそうです。
なのでトスカーナでは塩をなるべく使わないよう料理が発展し、パンも塩をいれずに作られるようになりました。

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パンツァネッラ
材料

余ったパンやパン粉
野菜類(基本は玉ねぎ、トマト、きゅうり、バジル)
マスタード


作り方
パンは小さくちぎる。
パンやパン粉をフライパンで軽く色づくくらいまで空炒りする。
野菜類は荒みじんに切っておく。
全てを混ぜて完成!

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今回は玉ねぎ、きゅうり、枝豆、残ったトマトソースを入れました。
揚げ物をしたら余りがちなパン粉、こうやって有効活用してはどうでしょう?

おちおち買い物にも行けない昨今、さらには在宅勤務で自炊の機会は増える一方、洗い物も自炊も飽きてしまった、という書き込みをSNSなどで散見します。
そんな状況の助けになればと、料理研究家の脇雅世先生が発起人となり、料理リレーという運動が起こっています。
旅するパクチーの牛田うっしいさんよりバトンを受け取りました。

以下脇雅世先生からメッセージです。
*・゜゚・*:.。..。.:*・*:.。. .。.:*・゜゚・*
世界中が危機感であふれている毎日です。今週末は外出自粛ということでおうちで過ごす時間が長くなりました。こんな時に皆さんと料理で繋がることができたらと思い「料理リレー」を試みたいと思います。いつもお家にある材料で簡単に作れる一品を紹介します。わざわざ買い物に出なくても済む、料理作りのヒントになれば幸いです。次の料理家の友人2人に思いを込めてバトンをつなぎます。料理を生業とする私達から、ご覧いただいた皆さんがハッピーになる事を願って。
*・゜゚・*:.。..。.:*・*:.。. .。.:*・゜゚・*

この元々の趣旨もあまり理解されていないのか、なんだか小難しい料理を作る人が増えている気がします。
私の番でそれを解消し、少なくて普通にある材料で手早くできる料理をちゃんと紹介しようと思います!
しかもオシャレな名前がついている!
酒飲みは日本酒か白ワイン片手にスタンバイしてください!

鮭のアクアパッツア風
2人分
材料
塩鮭 2きれ
玉ねぎ 半分
ミニトマト 4つ
わけぎ 1本
オリーブオイル 大さじ1
日本酒か白ワイン(料理酒可)   大さじ1.5

作り方
玉ねぎを1センチくらいの厚さに切り、アルミホイルに広げる。
上からオリーブオイルを少し垂らす。
塩鮭ではない場合はここで塩をひとつまみ振っておく。
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鮭と、半分に切ったトマトを置き、魚の上から酒をかける。
アルミホイルを閉じる。
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フライパンで弱火で10分ほど焼いたら完成!
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開けたあと仕上げにネギを散らすときれいです。
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この料理のいいところは、
  • 材料の種類が少ないこと
  • 早く出来ること
  • 洗い物が少ないこと
です。
美味しいと思ったら、ホイルの下にじゃがいもを敷いてチーズを載せて鮭を焼いてみるとか、鮭ではなく豚バラにするとか、このレシピににんにくを足してみるとか、色々工夫してみてください。
これで少しでも今みんなに溜まってるストレスを軽減できればいいなあと思います。

次は、フランスはシャモニーでお会いしたお二人、料理研究家の吉田桂子さんと、大阪平野の洋食店オ・ガッサーラのオーナーシェフ三木慎也さんにバトンを渡します!



#うちで過ごそう
#stayhome
#料理リレー
#cookingrelay
#脇雅世藤野幸子後藤ウィニー飯塚淳子makoせのおようこ浅香智子金垣智香子河村千影くしもとちあき高橋愛板倉百合子秋山久美豊田希牛田うっしぃ酔う子
#料理リレー2020

ミラノからフランスはモンブランの麓の町、シャモニーまではバスが出ています。
約3時間ほどで着きます。
ミラノはランプニャーノバスターミナルです。
こちらは地下鉄の駅と直結で大変便利です。
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バスはイタリアで何度か使いましたが、今回は景色が段違いに綺麗!!
流石アルプスの景色、月並みだけどハイジいそう。
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こちらはモンブランのイタリア側の町、クールマイヨール。
町の作りが伝統的で、とても可愛らしく見えます。
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これがフランスとの国境。
EUなのでパスポートはいりません。
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到着!
シャモニーのバス停からもモンブランの頂きが見えます。
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私が泊まるシャレーはこちら!
キッチンからモンブランビューで、超絶楽しく毎日料理してます!
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イタリアに来て2週間以上経つのですが、実はまだピザを食べていません!
ピザがあるレストランに行っても、パスタ美味しそうだなあとか、リゾットにしようとか、アンティパストとワインで満腹とか、そういう感じであまりピザ欲が湧きませんでした。
そこからの体調不良、スーパーのヨーグルトと、はちみつと、中華料理屋のお粥で生き延びていました。

流石に今日はイタリア最終日だし、以前ミラノに住んでいた友人に教えてもらったピザ屋さんに来ました。
メニューは7時以降のピザが充実してる。
とりあえずMassimo Botturaという黄色いトマトのマルゲリータを頼みました。
マルゲリータはピザだけど、マルガリータはカクテルなんですね。
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きました!
遅めの吉野家のような速さ、ピザってこんな早く焼けるんだ。
右上の330ccボトルのコカコーラと比較すればわかる通り、なかなかのサイズ。
しかし生地はとっても薄く、具材の方が分厚いくらいです。
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DOPチーズもたっぷり惜しげなく使われており、しかもそれが一種類ではないのがすごいです。
トマトは酸味よりも甘みもかなりあり、切ったらジュワッと果汁が溢れる瑞々しさ。
バジルは日本のバジルと違い、乾燥した土地で取れるからか、鼻に抜けるさわやかな香り高さが格段に違います。

ピザはジャンク系ピザとオシャレピザがあると思っているのですが、これはオシャレというよりもコース料理の一部分じゃないかというような繊細な印象を受けました。

夜7時以降のメニューできになるのがバービーピザ。
トマト入りの赤い(Rosaってピンク?)リコッタチーズが使われているようです。
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参考までに、これはイランで食べたピザ。
ジャンク系ピザはイランに勝るものはないと思われます。
このピザをヘルシーと言ったイラン人がいたのを、私は忘れない。
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