酔う子のユーラシア大陸お散歩ログ

ソムリエで料理研究家の酔う子が自由気ままに世界で飲み歩く様子をお届け

タグ:ぶどう収穫

まずは収穫前日、準備の様子から。
セラーの奥の方にあったいろんな機械を然るべき場所に移動します。
手前にある台から、銀色の除梗機にぶどうを入れて茎を除き、果実は除梗機からポンプに入り、赤いホースで発酵タンクに送られます。
この機材のセッティングも、機材一つ一つが重いためかなり大変です。
ワインの苦味を調節するため、除梗はやらない場合もありますが、今回はやります。
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当日。
これはちょっと撮影用にポーズとった収穫の様子ですが、、
実際はもっと戦争のようにガシガシ切っていくので写真なんか撮ってる暇はありません。
私は3列ほど手伝っただけで猛烈に腰が痛くなりました。
ここまで旅をしてきて比較的強くなったけど、まだまだだと思いました。
想像以上にキツく、翌日は作業に参戦できませんでした。。
この仕事に来ている人たちは女性も男性もガチムチで日々筋トレしてそうな方々で、数人はスポーツ装備バッチリで来てました。
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収穫したぶどうの一部。
人手のいる作業だから日本からツーリストを、、とも思うけど、農産物なので収穫日が正確に読めないのと収穫作業めちゃくちゃキツいから、ツーリストには大変だろうと思います。
そんな大変な手摘みのぶどうと機械収穫のぶどうだと、果汁のクオリティが段違いで、ワインの味にもダイレクトに影響します(後述)。
背筋と下半身しこたま鍛えてまた来よう。
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集めたぶどうは除梗機に入れてタンクに送ります。
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除梗機の中はこんな感じです。
左側からぶどうの房が入り、右手の穴いっぱいのところに入り、粒は下に、芯は横っちょに出てきます。
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除梗したぶどうの芯はこういう感じで排出されていました。
いずれも普段見ることも使うこともない機械なので、考えた人への尊敬みたいなのが止まりません。
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最後に機械収穫と手摘みのクオリティの差について。
機械収穫だと大量のぶどうが数百リットルの入れ物にどさどさ入るので、下のやつはどんどん潰されて圧搾前に果汁になってしまいます。
一方手摘みだとそもそもそんなにたくさん容器にぶどうを入れられません。重くて運べないから。なので摘んでからバスケットの中で果汁になっていったりしないです。
果汁になった瞬間から酸化が始まってしまい、その果汁を醸すので、ここで既にワインのクオリティに差が出ます。
また、機械収穫したぶどうの木はゆさゆさ揺らすことでストレスがかかり、葉っぱがちょっと枯れだしたりしていて、木自体の寿命とかにも影響するとか。
酒の一滴は血の一滴、という話です。

ぶどう畑はとっても大きいため、ぶどうの出来が場所によって違ったり、植えてる種類や用途が違ったりするため、一気に全部収穫するわけではありません。
今は収穫と収穫の合間、一部収穫して一部はまだぶどうがついてる状態です。

収穫済みのぶどうは圧搾して果汁を絞ります。
こちらはロゼワインになるやつ、皮とタネを除いて酵母を添加した果汁は、既に樽に入れて発酵を始めています。
毎日糖度と温度を計測し、発酵の具合を観察、調整します。
どんなワインになるのか、とても楽しみです!
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こちらは収穫前のぶどうを絞ったジュース。
メルローとカベルネです。
畑ごとにテイスティングして、時々混ぜてみたりして、どんなワインになるか予想し、計画を立てます。
私はアホなので「全部甘ーい美味しーい」になるのですが、そこから複雑味や酸味など色んな要素を感じる必要があります。
畑ごとに青みのある味だったり、日当たりによって甘みが強かったりと、ジュースの時点で既に差があります。
私には通常のワインのブラインドより難しいです。
これまたワインになる将来がとっても楽しみ!
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こちらは除草兼土の養分要員のひつじさんたち。
たまに水をあげにいきます。
単純にめっちゃかわいい。
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今日はロゼワイン用ぶどうの収穫をしました。
酒飲みの私にとっては大好きなお酒の生産を手伝えるなんて夢のようなことです!

朝は6時半にはもう収穫機がやってきます。
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これが収穫機。
ぶどう棚ごと挟んでゆさゆさ揺らすと、実だけ落としてくれるマシーン。
こんなのよく考えたな、とつくづく。
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収穫後のぶどうは茎だけきれいに残っています。
マシーンすごい。
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収穫したぶどうは圧搾機に入れて果汁を絞ります。
この丸いやつの中で両サイドからぎゅーっと板を当てて絞ります。
シャンパーニュの作り方の記述で上から抑えるってのがあったけど、確かにいろんな方法があるけど今はこれが主流らしいです。
この後絞りかすをスコップで移動させるのがめちゃくちゃ大変。
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絞った果汁はタンクに移動します。
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こちらは絞った果汁たち!
しぼりたての、しかもワインにするために糖度もしっかりあるぶどうなので、めっちゃくちゃ美味しいです!
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この時期になるとセラーを洗う人、ぶどう関連機器の修理や部品、ぶどう収穫機の運転、ぶどうの手摘みなど、いろんなお仕事が発生するそうです。
AIで仕事が消える、と言いますが、国が変わるだけでこれだけ仕事が変わるので、消える仕事は消えて、仕事は作ればきっと無限大なんだとつくづく思いました。

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