酔う子のユーラシア大陸お散歩ログ

ソムリエで料理研究家の酔う子が自由気ままに世界で飲み歩く様子をお届け

カテゴリ: 餃子

餃子とは何かというと、小麦粉から作った皮で肉をはじめとするものを包み、茹でるか蒸すか揚げるかしたものだと思っています。
日本の焼き餃子は蒸し要素があるので蒸し要素とカテゴライズしています。
そうなると中国の水餃子、点心、モンゴルのポーズがロシアではポズィと呼ばれ、ペリメニ、ヒンカリ、ワレーニキ、ラビオリになり、スペインではエンパナーダになり、果ては南米大陸に渡ります。

パン生地が餃子よりも歴史が古いなら、ピロシキは餃子になる気がします。

昔の人は皮を小麦でないといけないとは思っておらず、手近にある葉っぱ系のもので包んだりもしました。
具は肉と米です。
それがトルコやギリシャあたりのドルマ、トルマ、ドルマデスと呼ばれるものです。
ぶどうが育たない地域ではキャベツで包まれたり、ピーマンのなかに詰め込んだりしました。
果てはズッキーニの花やらムール貝やら、隙間があったらとにかく米や肉を突っ込んでいたようです。
トルコの場合は茹でたり蒸すのではなく、包んでからさらに煮込むのが特徴です。
ギリシャやジョージアでは私が知る限りぶどうの葉っぱのやつしか知りません。
そして生米を巻いて鍋に入れて炊きます。
ブルガリアあたりが発祥っぽい、肉と米をパプリカに入れて炊くものは、炊いたご飯を肉に混ぜ、パプリカに詰めてからトマトソースで煮込みます。
そうすることで肉汁が米に染み込みます。

英語のdumplingと日本語の餃子という言葉の指すものがどうやら違うようで、dumplingは小麦粉的なものを団子にしたモノを指すようで、ドイツのクネーデルやらイタリアのニョッキはdumplingの一味になるようです。
対して餃子は中に具を詰めることを前提としており、丸めただけのものは餃子になりません。

中力粉に、ぬるま湯と塩を足して練るとうどん生地ができます。
餃子の皮もこんな感じでできます。

これが強力粉とイースト菌が少し入ると、今度はパン生地ができます。
ここからもわかるように、麺、餃子、パンは実は大元は同じものでした。


小麦はメソポタミア文明が発展したあたりが原産で、農耕が始まったことにより、そこから世界へ広がっていきました。


麺、パン、餃子の歴史は化石が出たかどうかで語られます。
最古のものはパンです。
紀元前6000年くらいの頃、メソポタミアでは小麦粉を水で練ったものを焼いて食べていました。
この頃のパンにはイースト菌は使われておらず、言わばインドのチャパティのような感じでした。
我々が食べるパンのようなふわふわになったのはそこからだいたい2000年くらい経った古代エジプトの頃でした。
エジプトではビールを作っていたので、その酵母から発酵が始まったと言われています。

餃子は諸説ありますが、メソポタミアで餃子っぽいものが出土したとか、中国が発祥だとかいうことです。
中国の方は餃子の化石が出ているそうですが、メソポタミアの方はどの文献に書いてあったとか化石が出たとか肝心の出典がイマイチ曖昧です。

おそらく日本人の言う「餃子」と英語の「Dumpling」に乖離がある気がしてます。



麺もこれまた中国説とメソポタミア説があります。共通するのは餃子の皮をビラビラ剥いて千切りにしてみたやつが麺の誕生の瞬間だと言うことです。
ほんまかいな。

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