今回の旅の目的はワインです。
セットリストは以下
シャトーラフィット59年
コスデストゥルネル98年
ピションラランド99年
カマンサック2008年
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バーターが2級扱いとかおかしいです。
カマンサックに関しては水扱いです。

59年ラフィットは、マスター抜栓時にはすでにコルクが下に落ちていて、封蝋だけで保っていたようです。

テクニカルに感情を入れず評価すると、酸化の風味、お香のような厚みのある、黒系果実のジャムのような風味でした。

五大シャトーは偉大と言われますが、以前頂いたラトゥール86年は、気品は一級品ながらまだ小娘感のある、なんというか結婚前の眞子さま感がありました。
しかし今回はまさに偉大、2級が横に控えてるからこそわかる、圧倒的な厚みと平伏したくなるような威厳がありました。
2級のワインももちろん美味しいのに、水っぽく薄っぺらく感じるほどでした。
これが格付けかと思い知りました。
ソムリエ教本やWSETで教わるテイスティングは、風味を何かに例えることまでで、力強さを評価する項目はありません。
なのでこの圧倒されるような、自分の未熟さや小ささをまざまざと見せつけられるような、この感覚を何に例えるのが適切なのか、まだ見つけられていません。
だから神の雫なんかでは女神やらお城に例えたりしていたということがよくわかりました。思い知りました。
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例えるなら
フランスやハリウッドあたりの往年の大女優。
香水はシャネル5番とかディオールのポワソンとかそういうパウダリーみのあるずっしり系。
つば広の帽子にデコルテから肩まで開いたドレスは、痩せすぎておらず健康的な肉づきで色気はありつつ下品なやらしさはない。
演技も一級で教養もあり、ルックスだけで売ってるわけでは決してなく才色兼備のお手本。
でも若干お年を召してるので、時折ワインの香りがへたる瞬間が、ちょっと栄養ドリンク飲んでメイク直ししてもらってる瞬間みたいな生活感と可愛げをみせつつも、そのオーラは衰えるどころかますます華やかさと圧倒的な存在感を増すような。

もしくは
壮年期のマリアテレジア。
ふくよかな肉付きに重厚感のあるローブ。
その場にいるだけで空気感が変わるような、おいそれと発言できないような威厳。
臣下に指示を出し、軍を采配する、圧倒的ロジカルさ。
でもやはりお若くはないので時折休憩タイムに入られることはあるけど、人前に出る時は胸を張ってバキバキの威厳で圧倒してくる。

それでもまだしっくりこなくて。
インドの神様で手がたくさんあるむっちりした女神様をみたことがあるような。
多分ドゥルガーっていう女神さま。
気性は多少荒めで威厳もあり、でも頑張ってる人には優しそう。
匂い立つような濃厚な南国の花の香りと、奥にほんのり樽を思わせるサンダルウッド。

と言った感じでした。
このワインに恥じない生き方をしようと思いました。

このワインはかつて天皇陛下の晩餐会用にとあるホテルが仕入れたうちの一つだそうです。
そんなものを、お金払うだけで飲めるなんて光栄なことこの上ないです。

いいワインってコルクがすごく長いってことを知りました。

間違いなく今まで飲んだワインで一番味わい深かったです。
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