滞在中のワイナリーChateau Pre Vertに時々いらっしゃっていたのは、近くのワイナリーChateau Lestignacのマチアスさん。
ナチュラルワインの生産者として世界的に有名な方です。
そんなChateau Lestignacをマチアスさんと奥様のカミーユさんに案内していただき、現在発酵中の果汁を飲ませてもらったり熟成中のワインを頂いてきました。
(通常見学は受け付けていないと思います)

まずはソーヴィニヨンブラン。
主発酵とマロラクティック発酵を同時に行うことで、超爽やかなソーヴィニヨンブランの香りがガツンとくる果汁になっています。
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これはセミヨン。
頂いたセミヨン2種類は、収穫時期や発酵方法の違いによって全くもって別物の味になっていました。
1つは超さっぱりな、レモン果汁のような爽やかなもの。
もう一つは、まろやかさをほのかに残した丸い感じの果汁でした。
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樽からいただいたのは、まずソーヴィニヨングリ。
果汁どころかワインすら飲んだことがない品種です。
百合とか蘭とか、白くて大きい花をイメージさせるような香りがしていました。
次は色々な品種をミックスしたもの。
シュナンとか、その他3つほどのきいたこともないような、昔この辺りで栽培されていた品種などが混ぜ合わされた逸品。
超香り高いシャルドネのようなイメージになっており、大変興味深いものでした。
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こちらは発酵が終わってあと一年寝かせるもの。
Lestignacのコメットというブランドの白ワインになる予定のものです。
樽の白を全て混ぜ合わせたものだとおっしゃっていました。
驚くほど余韻が長く、ずっと鼻の奥に蘭の花がありながらも、いろんな香りが押し寄せてくる感じでした。
どんな言葉を使えばこのワインの凄さが伝えられるのか適当なものが見つからないのがもどかしいです。
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この大樽の中のはメルロー。
大樽は新しいので、これからタンニンがもう少しついていきます。
既に少しシパシパしており、今後も強めのワインになっていきそうです。
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こちらのメルローはただいま発酵中、もう少ししたらテラコッタ製のアンフォラ壺に移すそうです。
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このアンフォラは今年買ったもので、以前のものより焼きがしっかりしているため密閉性が高く、コンクリートタンクに近い、と言われたとのこと。
どのくらい寝かせるかも決めていないそうで、どんなワインになるのかとっても楽しみです!
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この1か月ナチュラルワインについてみっちり習い、ドサージュや亜硫酸などで発酵をコントロールしないワインの凄さを目の当たりにしました。
まず1番違うのは翌日の気分の良さ。
次の日全然残らないので飲まなかった日と全く変わりません。
緑肥や剪定、その他手入れなどぶどうの木にかける手間も通常以上ですが、その工夫や知識、探究心には眼を見張るものがあります。
ぶどうの枝を軽く挟むことで後々まで残したい味を残す、などなど、私が習ったのはソムリエ教本の範疇までで農業など素人にも関わらず、感心するようなものがたくさんありました。
AOCのルールの範囲内でワインを追求するのも凄いですが、ナチュラルワインを作っている人たちの多くは、品種、農法、発酵熟成方法の探求を怠ることなく大変味わい深く面白いワインを作っていらっしゃいます。