本日ツアーで訪れたテキーラ蒸留所は2箇所です。
それぞれ4種類と2種類、試飲してきました。
試飲ていうかめちゃくちゃたっぷりくれました。
人生でこんなにテキーラ飲んだことはありません。
しかし同時に、テキーラに対するイメージが一新されるような味でした。

まず1軒目、Cava de Oro、黄金のセラーとでも訳しましょうか。
こちらは中くらいの蒸留所ながらテキーラのフェラーリと例えられるほど、高品質なものを生産されています。
使う樽は全てフレンチオーク、熟成年数が経つにしたがって増える柔らかい香りと甘みがまるでブランデーのようでした。
まず3週間の樽熟成のクリアなもの、樽香はありませんが、甘さとアガベ本来の土臭さは健在です。
次にレポサド、色はこれぞテキーラといった黄金色ながら、深みや甘みは日本で今まで飲んでたテキーラとは比べ物にならないほど良いです。
続くアニェホは、もはやブランデー、ブラインドで出されたらもうわかりません。
エクストラアニェホは蜂蜜感がありつつもアガベがしっかり香る逸品中の逸品でした。
最後はエクストラアニェホのクリア。
これはエクストラアニェホをフィルターで濾過したものだそうです。
透明なのに樽香もあるし熟成感も多少は感じられるので確かに面白いものの、エクストラアニェホのいいところがなくなってしまったような感じでした。
これらはもはやクラブで煽るようなパーティードリンクではなく、味のわかる人たちと語らいながらちびちび舐めるように飲む、大変贅沢な飲み物でした。
IMG_8561

次はTres Mujeres。
バーやレストランでもよく見かけるこの銘柄も、安酒からプレミアムなものまで、幅広く取り揃えているようです。
IMG_8632

こちらで試飲したのはエクストラアニェホの2種類。
使われる樽はもちろんフレンチオークです。
まず通常のエクストラアニェホは、Cava de Oroのような濃厚な蜂蜜感はなく、もうすこしスッキリしたドライ目な飲み口でした。
対してエクストラアニェホダークは、新樽に寝かせてしばらくしてから、もう一度新樽に移すことで樽感を強烈に出した逸品。
樽から溢れる甘みが酒に移り、Cava de Oroのエクストラアニェホに近い味わいになっていました。
IMG_8647

こちらはテキーラカクテルだとか。
いろんな種類があって!このマグカップで飲むのが伝統的らしいです。
IMG_8646

テキーラは世界に紹介されたのが安くて酔うためだけのものだったこともあり、我々にはパーティー飲料としての印象が強いです。
しかしメキシコ人にとってはテキーラは、例えば日本人にとっての正月の日本酒のような位置付けの、贅沢な飲み物という枠です。
今回私が飲んだのは、贅沢中の贅沢なテキーラだったそうです。
本当に今までのパーティードリンクのイメージを一新させてくれるような体験でした!

ロンドンでBeefeaterのジン蒸留所に行った際、メキシコにはテキーラという名前の村があり、蒸留所まみれで蒸留所から蒸留所を歩いて回れるパラダイスがある、と聞きました。
そして訪れたグアダラハラからほど近いテキーラ村!
行き方はテキーラ列車とか自力でバスで行くとか色々ありますが、ちゃんと英語で詳しく説明を聞いて質問もしたいので、トリップアドバイザーのアプリからツアーを予約しました。
和訳が微妙ですが、「プロの手作りテキーラツアー」というものです。
テキーラ村にはでっかいテキーラ樽の中に泊まれるホテルもあるのですが、1泊20000円前後するので、今回の目的はテキーラの勉強なので、一人13000円のこのツアーを奮発しました。

朝10時にステイ先でピックアップしてもらい、軽くお腹にご飯を入れたらツアースタートです。

さすがテキーラ村、車の窓から見渡す限りのテキーラの原料となるブルーアガベ畑です。
IMG_8528

畑に来ました。
テキーラ、と名乗るためにはアガベ・アズール・テキラーナという品種のアガベを使用しなければなりません。
また栽培できる地域は、ここハリスコ、グアナファト、タマウリパス、ナヤリ、ミチョアカンの5つです。
フランスワインのAOCのような規定ですが、どうやら聞いているとそれより緩いようでした。
こちらで育っているアガベは4年目、アガベの収穫は7年目なのであと3年あります。
7年間アガベを育てると土も痩せてしまうため、アガベの後には数年トウモロコシを育てたりしてバランスをとるそうです。
しかし質の悪いテキーラ業者は5年くらいでアガベを収穫してしまい、結果酸味のある微妙なテキーラが出来上がるそうです。
本来は軽く甘みがあるのが良いテキーラの証だそうです。
それでもテキーラと名乗って良いようなので、メキシコのテキーラ法はヨーロッパのワイン法より緩いようです。
テキーラ村には大きな死火山があり、土壌は火山から出た石や土だそうです。
見た感じ赤い感じの土でした。
ちなみにコイツらとても葉っぱが固くてトゲがあって、刺されるとかなり痛いです。
IMG_8531

アガベを増やすのはクローン方式だそうです。
こちらの写真のように、メインのアガベの端っこから出てきてる新しいアガベを掘り起こし、新しい土地に植えるそうです。
アガベはぶどう同様、水やりもなにもせずに育てます。
しかし時折花が伸びてしまわないよう、剪定は行うそうです。
花が咲くと糖分が花に使われてしまうので避けたいとのことでした。
IMG_8532

テキーラの収穫には、特にこれといって時期はなく、年中行われるそうです。
ただ暑さを避けるために早朝から行うそうです。
このテキーラの収穫員のことをヒマドールと呼びます。
テキーラの味はこの収穫技術にも大きく左右されるそうです。
彼らはトゲトゲの硬い葉っぱを先にチェーンソーで切り落とし、芯のパイナップルみたいなのだけになったのを掘り起こして収穫します。
この掘り起こす道具はコア、と呼ばれます。
やってみたいっ!ともちろん私は思いましたが、男は漢らしくの国メキシコにおいては女性が畑に入って作業していたらクレームが来ると思う、とのことでした。
くそッ。
IMG_8570

これが収穫したブルーアガベの芯です。
かじってみたけど全く甘くありませんでした。
拾ったもの躊躇なく口に入れるのやめなきゃなあ。
IMG_8638

収穫したアガベの芯は、テキーラにスモーキーなフレーバーをつけるため、何度か蒸し焼きにします。
これがロースト部屋、ここでは12時間くらい焼けます。
IMG_8635

この手前の蓋を閉めた穴みたいなのは、地中のロースト部屋です。
これで3日ほど焼けるそうです。
ここはまだ熱が残っているのか絶賛焼いてるのか、暖かかったのが印象的でした。
焼けたアガベの芯はすり潰します。
この写真の奥に見えるのが昔のすり潰し機で、ロバとかにゴロゴロ臼を引かせてたそうです。
IMG_8639

現代のすり潰し機はこちら。
おもちゃみたいな配色がめちゃくちゃかわいいです。
水で繊維を分離しながらすり潰します。
FullSizeRender

すり潰したアガベはこのステンレスタンクの中に入れ、48〜72時間ほど待つと発酵が始まります。
発酵に使うイーストは天然ではあるものの、蒸留所それぞれに秘伝のレシピで作られてるそうです。
IMG_8547

こちらは蒸留機。
テキーラと名乗るために2回の蒸留工程を踏む必要があります。
1回目の蒸留だけだと毒素のあるものができるため、2回やる必要があります。
2回目の蒸留では、全て蒸留せず、最初と真ん中の美味しい部分のみを蒸留します。
IMG_8550

蒸留したテキーラは、基本的に樽に入れられます。
基本的に、というのは樽熟成の期間に応じてランクが分かれており、このランクもメキシコのテキーラ法で決められています。
熟成なし…ブランコ
2ヶ月と1日から9ヶ月…レポサド
9ヶ月と1日から3年…アニェホ
3年から5年…エクストラアニェホ
熟成に使用する樽は、安物テキーラはアメリカンオーク、いいテキーラはフレンチオークを使います。
安物中の安物は、アメリカンオークのジャックダニエルの古い樽なんかを買ってキレイにして使うそうですが、古い樽を使えば同じ熟成年数でも香りがあまりつきません。
また、樽に入れると樽の隙間からテキーラが蒸発してしまうため、ウイスキーのような長期熟成はあまり行いません。
実際飲んでみて、正直やらなくてもいいなと思いました。
IMG_8549

メキシコのテキーラ産業は完全に分業されています。
アガベを栽培する人、アガベを収穫する人、蒸留する人、ビンを作る人、樽を作る人、、などなど分業され、一大経済となっています。
なのでワイン造りのように、栽培、収穫から発酵まで全部やってしまうドメーヌ式ではありません。

長くなったので味の話は次に書きます。

ここグアダラハラが位置するのは、ハリスコ州というところです。
メキシコも州ごとにたくさん特色のあるメシがあるのですが、その一つがハリスコのBirria。
ハリスコ名物が色々食べられると話題の、グアダラハラ中心部の市場、通称リベルタ市場、サン・フアン・デ・ディオス市場に来ました。
メキシコの市場にはそれぞれ市場ごとに名物があり、ここの名物はおそらくBirriaです。
IMG_8504

きました。
トマトベースのちょっとピリ辛ビーフシチュー、と言った感じです。
もちろんサイドにはトルティーヤが付いてきます。
FullSizeRender

メキシコの汁物のお約束で、最初はネギも何も入ってないので、そこら辺にある器から適当に追加します。
お味ももちろんビーフシチューのちょっと辛い版!
癖のあるスパイスも使われていないようで、トルティーヤとよく合います。
どうやって食べるのが正解かよくわからないけど、日本人は口の中にトルティーヤ放り込んでからシチューを食べるのが一番美味しいと思います。

↑このページのトップヘ